心の逃亡者3
- カテゴリ:日記
- 2026/09/04 14:04:20
近頃の人間たちの、あの「盛りのついた」獣のような有様は、一体どうしたことだろう。
街を歩けば、他人の目を惹きつけようと、品性の欠片もない言葉や身振りをこれでもかと見せびらかしている。それだけではない。手元の端末に流れる文面を開けば、そこにもまた、おぞましいほどの自己顕示と、剥き出しの欲望が、ねっとりと油を引いたような言葉で書き連ねられているのだ。
彼らはそれを「自分らしさ」だの「充実」だのと呼んで、少しも恥じ入る様子がない。
彼らはそれを「自分らしさ」だの「充実」だのと呼んで、少しも恥じ入る様子がない。
浅ましい。ああ、たまらなく浅ましく、そして、恐ろしい。
私には、彼らが皆、正気を失った化物のように見えてしまう。その薄汚い欲望の熱気に、ほんの少しでも触れてしまえば、こちらの魂まで泥の中に引きずり込まれ、汚されてしまうような気がして、私はただただ、身震いするばかりなのだ。
だから私は、彼らの目の届かない夜を選ぶ。
あの古びたガス灯の、いまにも消えそうな青白い光の陰に身を潜め、冷たい月光を浴びながら、ただの「心の逃亡者」として息を潜めている。
あの古びたガス灯の、いまにも消えそうな青白い光の陰に身を潜め、冷たい月光を浴びながら、ただの「心の逃亡者」として息を潜めている。
ふと見ると、あの黒い野良犬が、また闇の向こうから私をじっと見つめていた。
その濁った、しかし何も求めていない静かな眼。
「おい」と私は心の中で呼びかける。
「あの盛りのついた人間たちの世界へ戻るくらいなら、私はお前と共に、このまま冷え切った夜の底で、飢えて死んだほうがマシだ」
その濁った、しかし何も求めていない静かな眼。
「おい」と私は心の中で呼びかける。
「あの盛りのついた人間たちの世界へ戻るくらいなら、私はお前と共に、このまま冷え切った夜の底で、飢えて死んだほうがマシだ」
犬は答えない。ただ、欲望に狂った世界から最も遠い場所で、私と一匹の影になり、静かに佇んでいる。
























