タケシの武勇伝…第二部(3)
- カテゴリ:自作小説
- 2009/12/22 17:25:05
---第1部あらすじ---
将来を有望視されていた野球少年北野健(タケシ)は、中学3年の冬、不慮の事故で左手に銃弾を受けてしまいボールが握れなくなってしまう。
8ヵ月後、仕方なく進んだ地元の高校で鬱屈した毎日を送っていたタケシは、成績不振者が集められる夏休みの補習授業で佐々木真也(シンさん)と出会う。
シンさんの家に招かれたタケシは、彼の話から事故の事情を知り一時憤慨するも、手術によってもう一度ボールを握れるようになると勧められる。
戸惑いながらも、自分を応援してくれるさまざまな人々の思いに触れたタケシは手術を受けることを決断した…
≪8月25日のTEL≫
リハビリ開始から2週間、タケシは肩の凝る思いで過ごしていた…
いくらタケシの気持ちが前向きとはいえ、徐々に馴染むように気を使いながらの生活である。肩くらい凝って当り前だった。
リハビリとは、この心理的不安と闘いながら行われるモノで、失敗の要因はほとんどこの点にあるといってよかった。ただし、タケシの肩が凝っている理由はそれだけではなかった。鈍った肉体を作り直すため毎日走りこみをしている疲労のピークにあったのだ。
そんな中、次のリハビリ指示の電話が掛かってきた…
タケシは、ようやく本格的な指のトレーニングができると思って電話に飛びついた。
「はい、もしもし、北野ですが!」
「もしもし、北野さんですか。どうも塙です。北野さん、もうすぐタイピング器機を持った者がお宅に伺いますのでそのまま受け取ってください!」
「はい。…で、やり方とかは?」
「それは器機を運ぶ者に指示してありますので、見てもらえば簡単に分かります。くれぐれも説明に従ってください。ところで指に痛みはありませんか?」
「それは全然大丈夫ですけど、何時ごろ持って来るんですか?」
「え~っと、あと5分以内には届くはずです。良いですか北野さん、くれぐれも指示どおりに行ってください。では、わたくしはこれで失礼します。それでは…」
電話はたったそれだけで切れた。
タケシが物足りなさに首を捻りつつ電話を切ったと同時に、家の呼び鈴がピンポーンと鳴った。電話を切ってから30秒も経っていなかった。
「すいませ~ん、○○電気から来ました!」
「はーい、今開けます!」
ドアを開けると、そこには男が二人立っており、足元に大きなダンボール箱が置いてあった。
「え~っと、とりあえず設置しますんでお邪魔してよろしいですか…」
こう言うと男たちは、タケシの返事もそこそこにダンボール箱を開けると中から一台のデスクトップ型PCを取り出した。すると、若い男の方がダイニングテーブルの上にPCを置いて早速電源につなげて立ち上げた。
「では、すいませんがハンコを…」
タケシからハンコをもらった中年の男は、手にしたフロッピーケースをタケシに渡した。
「これをPCに入れてもらえばすぐに使えますので…それじゃどうも!」
男たちは、こう言って一礼するとすぐに帰ってしまった。ものの2・3分の出来事だった。
呆気に取られたタケシは、フロッピーケースを手にしたまま瞬時玄関に立ち尽くしていた。その姿は、いきなりラブレターをもらった男子学生のようだった・・・
※※つづく※※
って、タケシ君、ちゃんとPC扱えるのかなぁ~~、ナンチャッテ(●ゝ艸・)フ゜ッ
タイピングかぁ・・・・。
急がず焦らず・・・・・ね。
次が気になってしかたない(笑)
タケシ君が当初から気になっていたタイピング、どうなるのでしょう?
早速実行してみます
プレゼント、ありがとう!!あんなにもらって、よかったん?
でも、マジ嬉しかった!!ホンマありがとうな!!
というのが最大級の幸福をかみしめているタケシをよくあらわしていると思います
次はタイピング。指がどのくらい動くようになったのか気になりますね。
指示通りッてすぐでしたね!
まぁタケシがやり方を間違えなければ・・・