10/01/02① 有効数字のお話①
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- 2010/01/02 02:32:54
>> 物理の有効数字どうして判断したらいいのですか?
え~とですねぇ……
まず、準備として説明しておきたいことがあります。
0より大きい実数kがすべてこの形で表せるのは分かりますか?
(数式記号凡例)
「*」 … 乗算(掛け算)
「/」 …除算(割り算)、もしくは分数
「**」 … べき乗(累乗:2の5乗なら、2 ** 5 = 32、5の2乗なら、5 ** 2 = 25)
「xの区間[α, β]」 … 「α ≦ x ≦ β」 と同義
「xの区間(α, β)」 … 「α < x < β」 と同義
「xの区間[α, β)」 … 「α ≦ x < β」 と同義
k = a * (10 ** n)
ただし、aの区間[1, 10)、nはすべての整数
わかりにくいと思うので、例を上げていきましょう。
(例その1)
「6」
6 = 6 * (10 ** 0)
6は区間[1, 10)にあり、0は整数であるため、適する。
(例その2)
「27548」
27548 = 2.7548 * (10 ** 4)
2.7548 は区間[1, 10)にあり、4は整数であるため、適する。
(例その3)
「0.00972503」
0.00972503 = 9.72503 * (10 ** -3)
9.72503は区間[1, 10)にあり、-3は整数であるため、適する。
(例その4)
「10000000000000000(1京)」
10000000000000000 = 1 * (10 ** 16)
1は区間[1, 10) にあり、16は整数であるため、適する。
(例その5)
「1000 / 3」
1000 / 3 = 333.33333..... より
1000 / 3 = 3.333333..... * (10 ** 2)
3.33333..... は区間[1, 10)にあり、2は整数であるため、適する。
(例その6)
「√151」
√151 = 12.28820572..... より
√151 = 1.228820572..... * (10 ** 1)
1.228820572..... は区間[1, 10)にあり、1は整数であるため、適する。
(例外)
「0」
0 = 0 * (10 ** n) (nは任意の実数)
0は区間[1, 10)になく、nは整数以外の数をとりうるので、不適
このように、0以外ならすべてこの形に書けるのは
お分かりいただけたでしょうか。
それでは、有効数字の説明に入りたいと思います。
「有効数字m桁(mは自然数)」とは、実数をこのような形で表記した際に、
「a」の一番左側にある数字(例その6なら、1)を1番目として数えて、
m+1番目の数を四捨五入した値のことをいいます。
例えば、例その6で「有効数字1桁」だと、
小数点以下第1位を四捨五入して 1 * (10 ** 1) = 10 になり、
「有効数字3桁」だと、
小数点以下第3位を四捨五入して 1.23 * (10 ** 1) = 12.3 になります。
つまり、「有効数字m桁」のmは
k = a * (10 ** n)
のaの桁の中で、残る桁の個数を意味しているんですね。
ご参考までに、例その6と例その3を有効数字で表しました。
すべて、m+1番目を四捨五入した結果です。
√151 = 12.28820572.....
有効数字 1桁 … 10
有効数字 2桁 … 12
有効数字 3桁 … 12.3
有効数字 4桁 … 12.29
有効数字 5桁 … 12.288
有効数字 6桁 … 12.2882
有効数字 7桁 … 12.28821
有効数字 8桁 … 12.288206
有効数字 9桁 … 12.2882057
0.00972503
有効数字 1桁 … 0.010
有効数字 2桁 … 0.0097
有効数字 3桁 … 0.00973
有効数字 4桁 … 0.009725
有効数字 5桁 … 0.0097250
有効数字 6桁 … 0.00972503
有効数字 7桁 … 0.009725030
有効数字 8桁 … 0.0097250300
有効数字 9桁 … 0.00972503000
これで、なんとなく感覚がつかめれば、
それでOKだと思います。