のーす・ぽール
- カテゴリ:日記
- 2010/01/08 23:47:05
店についてはきっともう時効だろうし、わたしとしても引用の用件を満たすよう気をつけようと思う。
問題があるようなら削除する。
たわいもない思い出話なんだけど。
祖父母は、同じ市でも離れた場所に住んでいた。
駅からその家に向かう途上に、ずっと気になっていた店があった。
入ったことはなかったけど、数件先の同じ並び、同じ間口の文具店で買い物したことがあったので、せいぜいひと部屋分くらいの広さなの知っていた。
店の名は『のーす・ぽール』、中は見えなかったが、喫茶店らしいことだけはわかった。
店先には木の枝が一本立っていて、そこに看板がかけてあった。
『のーす・ぽール
ぷーにはっキンされ、
ぷー、これを見ツケたり』
下にクリストファー・ロビン、と署名してあった。
A.A.ミルン作、石井桃子訳『くまのプーさん』のノース・ポール探検の章の一節だ。
プーが見つけた棒を『北極(ノース・ポール)』だとクリストファー・ロビンが断じてつけた看板、そのものが店先に掲げられていた。
『くまのプーさん』でディズニーのキャラクターを思い浮かべる人は気の毒だ。
アニメーション屋の黄色いクマはバッタモンで、原作の子どもそのものの自在さ、魅力に欠けている。
『自分がプーを書いたために天国にいけるとしたら、その手柄の大部分はシェパードのもの』という意味の言葉をミルンに言わしめた(すみません、出典失念)アーネスト・シェパードの挿絵も素晴らしい。
原作挿絵を『クラッシック・プー』と呼んでる方、クラッシックもなにも、あれがプーですぜ。
児童文学が好きな人、そうでなくとも物語を愛している人、なにかフィクションに思い入れる人ならわかってもらえるだろう、わたしは店に入りたくて仕方なかった。
大好きな物語の一節を冠した店がある。
中はどんな世界なのだろう?
お店自体は平凡かもしれない、にしてもそこには店の名前にするほどプーが大好きな人がいるのだ。
しかしこちとらはうちが結構厳しくて、買い食い禁止、浪費は御法度、喫茶店どころかハンバーガー屋にさえ自分だけで入ったことのない小坊だった。
通りすぎるおりに横目で見るので精一杯、いつか、大人になったら自分で入ろう……そう思っているうち、たしか中学に入るか入らないかという頃に、その店はなくなってしまった。
いまだに、あの扉のむこうはどうなっていたんだろう、どんな人がいたんだろう、と時々思う。
リンゴ材のタンスの扉のごとく特別で、百丁森につながってたりしたのだろうか?
『くまのプーさん』はA.A.ミルンが自分の息子クリストファー・ロビンとそのおもちゃの縫いぐるみたちを登場物にして書いた児童文学です。
それが後にディズニーによってアニメーションにされました。
が、原作が好きなんで、言いたいことが一杯あります。
児童文学は地味ですが面白い作品も多いので、ロングセラーになっているような作品はお薦めです。
ヒラコーの聖学電脳研究部、スチャラカなノリながら、ベストゲームを問われて結局「自分の好きなゲーム」を答える筋の通し方が素敵でした(雑誌の意向をぶっちぎったので、あれで色々あったとか)
山鳥さん
ディズニーのブーは、ブー(気のいいオジサンみたい)はまだしも、コブタとクリストファー・ロビンがあんまりにも……
あと、「キャラクター」として好きに扱いすぎてる不満を感じます。
ディズニーの原作の扱い方は、厳しい部分・暗い部分を徹底的に除いて、漂白した絞りカスにしている感があってあまり好きになれません。
ディズニーでもピクサーが作ってる作品はわりと好きなのが多かったりするので、オリジナル作ってくれればな〜と思います。
たぶん、別物という意識があるんだろうなぁ
ウォルトが手がけた白雪姫は、それなりに原作に対する思い入れが感じられたのですが
商業化によって、童話が語られた背景などをそぎとられ
夢のおとぎ話の部分が過大解釈されているのが今のディスニーキャラなのかもしれませんね
私、正直ディズニーとか全く詳しくないですが、くまのプーさんはディズニーキャラクターだってずっと思っていました。
そういえば、白雪姫とかシンデレラとかも、最近じゃなんだかディズニーキャラクターっぽい感じですけど、
ウォルトディズニーとシンデレラや白雪姫って、本来あんまし関係ないですよね・・・・・・そういう感じなのかな?
プーさんも。
そうですね、屋号には店主の想いが込められているものがよく見られます。
長野県松本市には、「ピカドン」という喫茶店があります。
店主は広島出身の被爆者だそうです。
カウンターの向こう側は
うわー、むごいのう、むごいのう、ピカじゃ、みんなピカがいけんのじゃ、
って世界につながって・・・いるわけないですね、すいません。
店主は、原爆が好きなわけではもちろんなくて、
それに負けずに生きて生きたいという意味なんだそうです。
のーす・ぽールとは真逆の命名の仕方ですね。
あと、新宿には「クロンボ」っていう喫茶店がありますが(以下略)
のーす・ぽールに入れなかったことはとても残念ですが、
店主のプーさんへの想いとか、店主の想いに触れたいと願ったすかさはさんの思い出とか、
それはそれでとても大切なことなんじゃないかなって思ったりですね・・・・
記録に残るゲームより
記憶に残るゲームの
ほうがすごいと思うん
だけどなァ
(進め!!聖学電脳研究部/平野耕太)
日記を拝見して、お気に入りのマンガの一説を思い出しました。
一度も店内に足を踏み入れられなかった小学生の心に、一生残る思い出を残したお店はすごいお店だと私は思います。