Nicotto Town



表札など


『表札など』石垣りんさんの詩集です。

一冊欲しいなと思っていたところ、文庫本で発見、買っちゃいました。
ずいぶん前のことです。

大正生まれのりんさんは6歳でお母さんを亡くされました。
お父さんは母の妹、叔母さんと再婚したけれど、二年後にその人も死亡。
それからすぐに父はまた再婚。
妹たちが生まれ、生活を支える為に十四歳で銀行に勤めます。
りんさんが十七歳の時に父が離婚、翌年、また違う女性と再婚します。
戦争があり、空襲に遭い、妹の死に遭い
貧しい暮らしを、父と母と妹、弟たちの生活を支え続け
働いて、生涯独身を通しました。

自らを律して、ひるまず、辛さを安らぎに変える言葉の確かさは
感嘆させながら、がっつりと心を掴みます。

詩の一部だけ、紹介しておきますね。

表札など

精神の在り場所も
ハタから表札をかけられてはならない
石垣りん
それでよい。

旅情

ふと目が覚めた枕もとに
秋がきていた。


貧しい町

一日働いて帰ってくる、
家の近くのお総菜屋さんの店先は
客もとだえて
売れ残りのてんぷらなどが
棚の上に まばらにの残っている。
そのように
わたしの手もとにも
自由の時間、が少しばかり
残されている。
疲れた 元気のない時間、
熱の冷めたてんぷらのような時間


海辺

ふるさとは
海を蒲団のように着ていた。

波打ち際から顔を出して
女と男が寝ていた。


苦労された生涯、父を疎ましく、家族を重く思ったのではないか。

深夜のNHKのアーカイブで晩年の石垣りんさんが出ていました・
「父が好きで好きで、独り占めしたくって、たまらなくて、嫉妬で苦しんだんです。
それ以外は全く執着がなくなってしまって。家族にはずいぶん迷惑を
かけたと思いますね」
と言っておられました。

目から鱗。
りんさんは強度のファザコンだったんです。

真実はいつも意外性を伴っているものなんですね。。
人の心の迷宮ですね。


ごめんなさい。書き方が悪くて^^;
ここに書いた詩のほとんどは一部抜粋です。
それぞれ、もう少し長い詩です。

レスはちょっと趣向を考えました。
書いてくださった方のイメージで
石垣りんさんの詩集から、詩を選んで
その一部を抜粋します^^

気に食わなかったとしたら。。
それは、もう、ごめんなさいです。。^^;

※著作権に触れるかもしれず、数日後には削除しますね。
ご了承ください※

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2010/01/13 23:40
小チゲさん★コメントありがとうございます。

チンして、これまたオープントースターで
数分焼くとパリッと再現^^
おうどんに入れてもジュ~とイイ音出します。
ひと手間かければ、再生可能ね。
人生も頑張るか。


落語

世間には幸せを売る男、がいたり
お買いなさい夢を、などと唄う女がいたりします。

商売には新味が大切
お前さんひとつ、苦労を売りに行っといで
きっと儲かる。
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2010/01/13 23:35
ゆいさん♥おやすみなさい。

この詩の続きを残しておきましょう^^
新しい何かに出会う為に。

風景

よせてきても
けっして私をぬらさない
はるか下の方の波打ち際に
もどかしくたゆたうばかり
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2010/01/13 23:25
てんぷらのような時間もレンジで温める術を模索します。
ちょっとくらいのフニャフニャは厭わない!
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2010/01/13 23:18
詩、ありがとうございます。
なにかつい最近の私の心境そのものですごくくるものがありました。
過去の自分の気持ちを懐かしむ・・・。
そんな想いです。
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2010/01/13 23:16
亀吉さん★コメントありがとうございます。

そうなんですね。たぶん時代でしょうね。
何も考えてなくて、ただ、結婚していないと
世間から認めて貰えない、認めないという慣習に
縛られていただけのような気がします。

それとも、豊かさを知らなかっただけなのかなぁ。



姿見の中に私が立っている。
ぽつんと
小さい島。
誰からも離れて。

私は知っている
島の歴史。
島の寸法。
ウエストにバスとにヒップ。
四季おりおりの装い。
さえずる鳥。
かくれた泉。
花のにおい。
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2010/01/13 23:03
カルカンさん★コメントありがとうございます。

寒いですね。明日も頑張りましょう^^


川のある風景

私たち
今日から明日へ行くには
この川を浮き沈みしながら
運ばれていくしかありません。

川の中に
夢も希望も住んでいます。
木も草も茂っています。
いのちの洗濯もします。
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2010/01/13 22:57
みゃおさん★コメントありがとうございます。

詩人では、なかなか食べていけません。
大正生まれ、昭和の激動を生き抜いた石垣りんさんは
甘い言葉を書く人ではありませんでした。
女性の自由など尊重されなかった時代に、家族を支えて働きに働いて
言葉で自立を果たしました。
格差社会が拡大する今も、その言葉は新しく、温かく、胸に深く落ちてきます。
もし気が向けば、手にとって続きを読んでみてくださいね。

幻の花

庭に
今年の菊が咲いた。

子供のとき、
季節は目の間に
ひとつしか展開しなかった

今は見える
去年の菊。
おととしの菊。
十年前の菊。
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2010/01/13 22:46
さきもりさんおやすみなさい。

今日は何も考えず、あるがままで眠りましょうね。
穏やかに^^



お前は入り口
お前は出口

夜、鍵をしめて見たところで
自身、失うものは何もない
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2010/01/13 22:42
昔って、貧しくても、次からと再婚できたのですよね。
いつも、これが不思議なのですね。
なんか、甲斐性があったからなんでしょうか。
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2010/01/13 22:41
catさんおやすみなさい。
良い夢を^^


川のある風景

夜の底には
ふとんが流れています。
川の底を川床と言い
人が眠りにつくそのところを
寝床と言います。
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2010/01/13 21:43
お邪魔します<(_ _)>

 貧しい町
 なんか情景がうかぶような
 どこか満ち足りてない思い
 なんかが込められてるのか
 な~と感じます。。
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2010/01/13 21:16
ほおお。
詩集とな。
しばらく、目にしておりませぬ。
いかんですなあ・・・
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2010/01/13 20:04
なるほど、さすが。

母親からそういうのが来ますね♪ 0( =^・_・^)=〇 =座布団10枚 

(=^. .^=) m(_ _)m (=^. .^=) (* ̄(エ) ̄*)
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2010/01/13 14:32
>黒猫手毬 さん
私宛のコメントにも素敵な詩をどうもありがとう御座います(uu*☆
粉雪舞う中朝からのお仕事を終え、帰宅しニコIN。
今新たなこの詩を拝見し、心がじんわり。。と
温かくなりました。

その方の在る場所は、仲間がおられるから
居場所になるのですね。

一人じゃないって、幸せです^^
ニコのこの場所も、私の大切な居場所であり
黒猫手毬 さんのお傍も 私にはもうその中の一つです。
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2010/01/13 00:29
さきもりさん★コメントありがとうございます。



イラナイ
と、ひとことういう。

イラナイだろうが
持っておいで。

田舎の祖母は
紫蘇のむすびをよこした。

イラナイといって
手に持たされるものは
むすびのひと包みでよかった。
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2010/01/13 00:25
らてぃあさん★コメントありがとうございます。

石垣りん詩集 ハルキ文庫より抜粋しています。
ぜひ、一度読んでみてくださいね。




さかのぼるよ。

どこか知らない
知らないところへ
私たち。
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2010/01/13 00:22
yukinkoさん★コメントありがとうございます。

詩の全編じゃないから大丈夫と思うけど、たくさん抜粋するからね。
調べて大丈夫そうだと、置いておきます^^




思いだします
始めて水の冷たさを知ったときを。
どんなに教えられても
じょうずに泳ぐことができなかった子は
苦い水をどっさり飲んで年をとりました。
くぐりぬけたさまざまこと
試験、戦争、飢え、病気
どれひとつ足の立つ深さではなかったことを。
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2010/01/13 00:16
う~ん、父親。男の子のσ(・・*)には、越えられない壁かな。

多分超えるのは、結婚して孫の顔を見せて、跡継ぎを成人させたときなんだろうなぁ~。

マザコン傾向はないようです。これはほんとに。何故かいな?

妹も多かったから、独立心が強かったのか?

一生越えられない壁、それが父親かな。母親は、多分海だと思う。

(=^. .^=) m(_ _)m (=^. .^=) ワン?天元ちゃんよく分からないワン♪ 

(* ̄(エ) ̄*)m(_ _)m
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2010/01/12 23:46
最近詩を読むようになりました。
読んでみます。
アバター
2010/01/12 23:46
削除しちゃうの・・・・?
そっか、そういう世界なのだな、ここは・・・。

ファザコンかぁ。ないですな、私には!
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2010/01/12 23:21
ちょっこちっぷさん★コメントありがとうございます。

海のながめ

海は青くない
青く見えるだけ。
私は深紅の海
海に見えないだけ。
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2010/01/12 23:18
アッシュさん★コメントありがとうございます。

遥拝

いつか一度
と思う。
前にさんざんやったことを
今やれないはずはない、と。
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2010/01/12 23:12
ゆいさん★コメントありがとうございます。

風景

待つものはこないだろう
こないものを誰が待とう
と言いながら
こないゆえに待っている、
あなたと呼ぶには遠すぎる
もう後姿を見せてはいない人が
水平線の向こうから
潮のようによせてくる。
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2010/01/12 23:09
KINACOさん★コメントありがとうございます。



荷を持つと
力が働いた。
「落ちるよ」

危ない空の崖っぷちで
地球がひきとめる
思いやり。

だから重かった。
私たちにとって
いつも
愛は。
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2010/01/12 23:03
西の魔女さん★コメントありがとうございます。

えしゃく

私は私をほぐしはじめる。
おさない者に
煮魚の身を与える手つきで
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2010/01/12 22:53
catさんコメントありがとうございます。

仲間

行きたい所のある人、
行くあてのある人、
行かなければならない所のある人、
それはしあわせです。

たとえ親のお通夜にかけつける人がいたとしても、
旅立つ人、
一枚の切符を手にした人はしあわせです。

明日は新年がくる
という晩、
しあわせは数珠つなぎとなり
冷たい風も吹き抜ける東京駅の通路に、
新聞紙などを敷き
横になったりし 腰をおろしたりして
長い列をつくりました。
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2010/01/12 21:33
詩集って短いけれども、いろんなことがつまっているように感じますよね。
私、貧しい町の詩、好きですよ♪
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2010/01/12 21:30
うーん
心鷲づかみ系の言葉の数々ですね。
でも、ファザコンだったんだw
ヒトに事情ありね。
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2010/01/12 20:49
愛憎ってことなのでしょうか。
愛と憎しみは常に背中合わせで、それは肉親にもこの方は感じられた
ということなのかなと思いました。

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2010/01/12 12:27
父がもし母になんかあって再婚するならば、殺しますっ!(笑
だめだめ、そんなのっ!
たぶん無いけど、あの方、娘どもが好きで好きでタマラン人なので。

わたし、天ぷらの詩、すきだなぁ。



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2010/01/12 11:04
父はね・・・私にも永遠。
アバター
2010/01/12 10:38
綺麗で美しく心が癒されます詩集なども御座いますが
リアルに心のままの詩集には、力強さや人間らしさが心を打ちますね^^

貧しい町の

疲れた 元気のない時間、
熱の冷めたてんぷらのような時間・・・

など、本当に自分のありのままの心境を綴られていらっしゃいますのですね。



しかし、私もその身の上のお話をお聞きし
きっと父親殿の事は、快く想われていらっしゃらないのだろうと考えましたが
ご本人様は、反対に嫉妬致します程愛しておられたのですか!?

人の心など、やはりその方でありませんと
理解し難いものなのですね・・・

う~ん。。正に迷宮(--;

でも、迷い迷われますから
苦しく、楽しく、お傍にいたいと想えますのかもしれません(^^)





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