夏休みには
決まった宿題が出ていた
何か一つ
自分で調べること
借りてきた本を見て
その通りにやってみたり
何か作ってみたり
朝顔が開くのを見たくて
けれども起きられなかったり
朝の冷気と
昼の陽射し
いつまでも明るい夕方に
網戸越しの月明かり
...
夏休みには
決まった宿題が出ていた
何か一つ
自分で調べること
借りてきた本を見て
その通りにやってみたり
何か作ってみたり
朝顔が開くのを見たくて
けれども起きられなかったり
朝の冷気と
昼の陽射し
いつまでも明るい夕方に
網戸越しの月明かり
...
暑さを孕んでいた風が
今日は何だか涼しいみたい
窓を開けると心地よく
急いで通り抜けてゆく
乗ってきたのは虫の声
重なる音色はもう既に
次の季節に移ってる
急に雲が広がった
仕事からの帰り道
風の心地よさが過ぎると
乗り込んだところに打ち付けた
大きなフロントガラスに
小さな水滴が
風を受けて流れて
斜めに線を引いていく
少し混み合う道をゆっくりと
水音と共に走り
いつしか降りる夜の帳に
見える景色を染めていく
木の葉が舞い始めた
お昼過ぎの庭先
雷鳴と共に
飛沫が窓に音を立てる
湿った香りが
鼻先を過ぎれば
虫たちは黙り込み
鳥達は姿を隠し
静寂を作り出して
水の音に耳を傾ける
力強く降り注ぎ
辺りを一色に染めると
何事もなかったかのように
足早に去っていき
...
トンネルを抜けた先の
山あいの町
親類の集まった
祖父母の家で
お昼を回り
陽射しが厳しくなる頃
どこか涼しげな器に
スイカが置かれる
庭を眺めながら
並んで座り
皆でほお張りながら
夕暮れを待つ
いつしか涼の染みる
ひと時の思い出