Nicotto Town


アストンのつぶやき


   

2012.5.15.雨降りの駅前

灰色の空

冷たい水滴


人々が

慌しく行き交えば


広げた傘が

その色を流す



透明の

静かな息吹の


しっとりと

漂う冷気は


足音をただ

吸い込んで空に返す

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2012.5.14.初夏の若魚

小さな影が

行き交って


集まれば

水面を揺らし


緑の木々の

枝を垂らす先


朝日のきらめきを

一層に増す


暖かな日に

川を覗けば


弾ける元気の

片鱗に触れる

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2012.5.13.高い空に

机から顔を上げて

お昼前の外に出てみる


日の照らす道に

柔らかに風が吹く



歩みを進める度に

木立は色合いを変え


柔らかな光を

優しく瞳に届ける



風の歌う舞台が

どこまでも広がる

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2012.5.12.向かい風

広がる空

はためく木立


眩しいほどの世界に

自転車で走り出す


強く吹き付ければ

全身は靡き


耳元はびゅうびゅうと

ざわめきのうねりを抜ける


波に浮かぶ

木の葉の如く


不確かに

揺れるけれど


行き先を示すように

真っ直ぐに吹き続ける

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2012.5.11.吹いては返し

ざわざわ

ざわざわ


帳の降りた町に

冷たく風が舞う


ざわざわ

ざわざわ


日中には

暖かさを纏い


夜半には

囁きを届け


ざわざわ

ざわざわ


まるで姿を変えて

行き先も分からぬまま


右に左に揺られつつも


力強く歩み

どこまでも空を渡る

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