春はやさしいにおいがする。
たとえば、芝桜、チューリップだとおもう。
つちとまざりあった、ひざしをあびた、あたたかなにおい。
ローズマリーの葉はさわると
つよい芳香がゆびにつくけれど、
今日はとおっただけで
あたりに芳香がただよっていた。
かれらにも旬があるのだ。
ヒメオドリコソウがゆらゆら、にょ...
日々のはざまについて、
地上でみた夢の記憶、
地中で見られた眠りのすきま、
絵画や小説、想像世界、花たちなどについて
静かに渡りを記述しています。
春はやさしいにおいがする。
たとえば、芝桜、チューリップだとおもう。
つちとまざりあった、ひざしをあびた、あたたかなにおい。
ローズマリーの葉はさわると
つよい芳香がゆびにつくけれど、
今日はとおっただけで
あたりに芳香がただよっていた。
かれらにも旬があるのだ。
ヒメオドリコソウがゆらゆら、にょ...
桜並木を自動車で通った。
昨日とは別の場所だったけれど
散った桜の花
のイメージではなく、
新緑のやわらかい
桜の木になっていた。
桜の木の並木道。
この時期の台風に似た風は
野分とはいわないのだろうか。
強い風のあと、すっかり景色がかわった。
さくらがちった
と思ったら、
あたりはしんりょくがはじまろうとしていた
目に緑がぷちぷちとせまってくる。
雨なのに、なみきみちのみどりたち
まだ黄緑がかったそれが
やわらかかった。
うちのちかくの休耕地では
レンゲのはなのささやかな畑たち。
さくらのはなびらがそのうえをまだ
ときおりふって。
いれ...
ひさびさに、木曜日は晴れた気がする。
晴れて、日射し、新緑、花たちや草たちの息吹、
のような、まざりあったにおい、
ツグミ、むくどり、たからかなシジュウカラの鳴き声、
ああ、春は晴れると、やさしいなと思う。
アメンボがまだ散っている桜のなか、
すこしばかりの花筏のなか
(今年は花筏をたくさんつくるに...
今日は春嵐。
ひょうまじりの風のつよさにおどろく。
桜は、かつて桜であった…という印象にまで
花びらを落としていた。
葉桜になるまえにむりやり風雨で花がおちてしまったので
どこか違和感がある。
だんだん葉がでてきて、桜の花は桜の木になる、
そんなふうにおもっていたこと、たちきられてしま...