煙草をくゆらせて
向かい合わせに座ったカフェ
本当は好きじゃなかったけど
煙の向こうの笑顔が
なによりも好きだった
甘い香りのする煙草
あなたのお気に入りのその銘柄を
いつもバッグに忍ばせていた
持っているそれがきれた時
あなたにそっと渡したかったから
そんなことさえもう過去で
バッグの煙草...
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煙草をくゆらせて
向かい合わせに座ったカフェ
本当は好きじゃなかったけど
煙の向こうの笑顔が
なによりも好きだった
甘い香りのする煙草
あなたのお気に入りのその銘柄を
いつもバッグに忍ばせていた
持っているそれがきれた時
あなたにそっと渡したかったから
そんなことさえもう過去で
バッグの煙草...
なにを想ってきたのだろう
夢を見ながら祈った日々
正夢になるとでも思っていたのか
あなたに抱かれる日々が
続くとでも思っていたのか
もう忘れなきゃいけないのに
記憶のどこかに潜んでいて
私を苦しめる
暗い穴に落ち込んで行くように
見上げるしか見えない光
「もし…」と思っていても...
まだ北風が冷たい今日
あなたに編み上げたマフラーと手袋
心をこめて編んだそれを
あなたは受け取ってくてるだろうか
喜んでくれるだろうか
もう春は近いよと
誰もかれもが告げるけど
私の恋も同じように
まだ暖かみは感じない
心に隙間風が吹く
昨日の雪もすっかり溶けて
誰もが足早に通り過ぎる
その...