封印された遺書(7)
- カテゴリ: 小説/詩
- 2017/12/16 12:38:07
一人で考えて苦しく感じることでも、他人との会話で、自分の悩み事が意外にも小さなことに思えてくることがある。君岡は北野から一般的な事例だと指摘されたことで肩の荷が下りた気になった。弟の事業の行き詰まりによる資金難は母親が父の死亡によって得た保険金と母がコツコツと蓄えてきた貯金で解決できることになった...
一人で考えて苦しく感じることでも、他人との会話で、自分の悩み事が意外にも小さなことに思えてくることがある。君岡は北野から一般的な事例だと指摘されたことで肩の荷が下りた気になった。弟の事業の行き詰まりによる資金難は母親が父の死亡によって得た保険金と母がコツコツと蓄えてきた貯金で解決できることになった...
庭木に肥料やる。
油粕の施肥を八重桜、梅、アジサイなどに施した。今年、活躍してくれた御礼である。来年も頑張って花を咲かせてほしい。今日もいい天気で洗濯物も乾いたし、軒に干していた干し柿をいい色合いになってきたから、取り入れた。お正月の楽しみができたと言うことだろう。毎年、来年こそはと願いをこ...
君岡は、弟が家の権利の半分を現金で欲しいと要求してきた経緯を北野に詳しく説明をした。
「君の家の資産評価額がいくらになるか、分からないが、いずれにしても話し合って解決するしかないだろう。喧嘩したって、どうしようもないから。」
「どんな方法があるの。」
「普通は、弟さんが相続放棄をして、相続相当分の...
電気代、ガス代跳ね上がる。
風が冷たい。朝起きて、キッチンに立つと足元の床から冷たさが伝わってくる。冷蔵庫の中にいるような気分であった。先日、電気とガスの請求書が届いたが、昨年と比べて3~4割アップであった。さすがの奥さんも、これ、ちょっと数字の間違いではないのかしらと首を傾げた。寒いから...
営業から会社に戻ると、北野さんから(パンフレットがなくなったという連絡が入りました)というメモ書きが置いてあった。いい機会であった。古屋弁護士に相談する前に弟の宗則の件で、北野の意見も聞いておきたいと君岡は感じた。早速、パンフレットをワゴンに詰めるとパークショップ『よろず生活館』へ向かった。北野の...
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