自作小説倶楽部6月投稿
- カテゴリ: 自作小説
- 2018/06/30 21:21:05
『姉の恋』
「彼と別れるわ」
姉は予想通りの言葉を吐いた。意味もなく細い指でストローの曲がり角をつまんでアイスコーヒーの氷を一回転させる。
これで何度目のことだろう。僕は内心ため息をついた。
大きな瞳がふたつ、卵型の顔の中できらりと輝く。少しカールした栗色の髪に染み一つない肌、服装はゆっ...
『姉の恋』
「彼と別れるわ」
姉は予想通りの言葉を吐いた。意味もなく細い指でストローの曲がり角をつまんでアイスコーヒーの氷を一回転させる。
これで何度目のことだろう。僕は内心ため息をついた。
大きな瞳がふたつ、卵型の顔の中できらりと輝く。少しカールした栗色の髪に染み一つない肌、服装はゆっ...
『とあるおとぎ話』
あたしは幼馴染の『のえる』が嫌いだった。
読めない漢字で『のえる』なんて読ませる名前を付けるファンシーな脳みそのママを持った彼女はママの理想通りの大きなリボンにフリルのついたワンピースを着るような女の子に育った。
そして「いつか王子様がのえるを迎えに来...
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