木漏れ日になれない星の光が
やさしく枝葉の間から声をかけてきた
それは透明な金や銀の糸となって
私に纏わりついた
見上げると月明りの下
何千もの葉が映し出されている
それらは黒い小さな無数の手となって
糸を持ち風にそよいている
織姫はもしかしたら
この星の糸を織っているのかも知れない
どこ...
木漏れ日になれない星の光が
やさしく枝葉の間から声をかけてきた
それは透明な金や銀の糸となって
私に纏わりついた
見上げると月明りの下
何千もの葉が映し出されている
それらは黒い小さな無数の手となって
糸を持ち風にそよいている
織姫はもしかしたら
この星の糸を織っているのかも知れない
どこ...
ダンゴ虫が丸まって
さて、さて、さて、さて、何処へ行く
転がる転がるダンゴ虫
お庭の隅へとたどり着く
割れた瓦の下側へ
急いで入りじっとする
ダンゴ虫が歩いてる
ゆっくり、ゆっくり、何処へ行く
それは、それは、たくさんの足
せか、せか、せか、と動かして
割れた瓦の下側へ
急いで入りじっと...
雨音が
静かに心に溶けていく
白い部屋のほんのわずかな空間に
あなたの横顔が映る
あなたは黙って振り向いて私を見た
そして微笑んだ
私は少し小首をかしげた
もうすぐ行ってしまうのね
そしてあなたは
また遠くを見ている
窓の外の雨に煙る景色を
寂しげに
パラレル
私と決して交わることのない...
六月に咲くつるバラの花が
深紅に青い空を染めていく
それはあなたの色だ
温かく優しく力強く
青空にいくつもの星のように
赤い花びらが舞う
たくさんの蝶の様に
いくつもいくつも舞う
まるで潮が満ちるように
青い空に波打っている
それは私が見つけた
あなたへの想いの色だ
風よ六月の風よ
...