はるか、むかしに。
その獣は、あるじと共に大地を、空を駆けた。
今は、あるじを失い、眠りのなか。
その嘆きが、悲しみが、
少しでも癒えるようにと、
わたしの祖先は、眠りの魔法をほどこした。
時は過ぎて、
幻獣たちは数を減らし、
魔法も、神秘も、過去のものになり果てた。
それでも、わ...
ほんのり楽しい、まったり時間。そんな場所。
はるか、むかしに。
その獣は、あるじと共に大地を、空を駆けた。
今は、あるじを失い、眠りのなか。
その嘆きが、悲しみが、
少しでも癒えるようにと、
わたしの祖先は、眠りの魔法をほどこした。
時は過ぎて、
幻獣たちは数を減らし、
魔法も、神秘も、過去のものになり果てた。
それでも、わ...
りん、ころりん、ちりん。
手を上げれば、輝く氷の花。
冬の季節が、小さく歌う。
ちりん、かろん、ころん。
氷と雪の結晶が、音を立てて生まれ、
輝いて、大気を冷やし、砕けて溶ける。
熱帯夜の街には、人の姿は少ない。
だから、ひそやかに。そっと、静かに。
ナイショ、ナイショの雪の魔法。
小さいけれど...
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