Time after time
- カテゴリ: 自作小説
- 2020/03/10 17:50:16
打合せが終わり、訪問先のビルを出ると小雨がパラついていた。傘を持ってこなかったので、近くの喫茶店で雨宿りをすることにした。店内には観葉植物が飾られ、革張りの椅子と無垢の木のテーブル、その上には灰皿が置かれ、昭和の香りを色濃く漂っていた。
マスターに深煎りモカを頼み、煙草に火をつけた。鞄から本を取り...
打合せが終わり、訪問先のビルを出ると小雨がパラついていた。傘を持ってこなかったので、近くの喫茶店で雨宿りをすることにした。店内には観葉植物が飾られ、革張りの椅子と無垢の木のテーブル、その上には灰皿が置かれ、昭和の香りを色濃く漂っていた。
マスターに深煎りモカを頼み、煙草に火をつけた。鞄から本を取り...
炬燵の上に置いていた携帯が鳴った。部下の松下からだった。
「かちょ~、総務部がコロナ対策のBCPを部内でオーソライズが終わってないと見せてくれないんですよ~、来週、監査法人のヒアリングです。資料の準備が間に合わないですよ~。経理部からは、消毒用アルコールが手に入らないので、調達ルールの緩和を相談さ...
コロナ対策で週に2日、テレワークをしなければいけなくなった。ドライバーをしていた頃なら、テレワークをしたくても出来なかったが、健介は、大きな怪我がきっかけで、長い時間、車の運転をすることができなくなり、財務部に籍を移していた。
リビングのパソコンでリモートシステムを立ち上げ、画面にグルグル回る輪っ...
先週からコロナ対策で時差出勤が始まった。時間は自分で選ぶことができ、いつもより2時間早く出勤している。その分、仕事が終わるのも早く、明るいうちに会社を出ることができる。
出来るビジネスマンは、余裕のできた時間を語学力の向上や専門知識の取得、時間がなくて普段読めない本を読んだり、ジムに通ったりしてス...
37.38cmのヘラブナは、巨大サイズではないかと思ったが、早明浦ダムで52.9cmが釣り上げられていた。さすが、四国の水がめ。
早明浦ダムの水は、四国四県に供給されていて、完成したときに『四国はひとつ』と書かれた記念碑が建つ予定だったが、高知県知事が、四国はひとつじゃないと言ったので『四国のいの...