Nicotto Town



自作小説倶楽部10月投稿

『恐怖が生きる町』
帽子とコートで土砂降りの雨を潜り抜けた俺はようやく目当ての建物を見つけると玄関前の短い階段を駆け上がり遠慮なく扉を叩いた。やがて住民が動く気配がして明かりがともる。「どなた?」そっと扉の隙間から女が問う。「泊めて欲しいんです。このままでは雨の中で凍え死んでしまう」俺は声を張り上げ...

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自作小説倶楽部9月投稿

『不幸な死神』
最悪だ。私は己の不幸を嘆く。同時に「期日が近いから今夜済ませちゃって。大丈夫。台風は逸れるよ」と指示したブラックな上司の笑顔を十数発殴る想像をした。非常階段から目立たず立ち去るべきなのに非常口を開けると暴力そのものの雨と風が襲い掛かってきた。非常階段を徒歩で降りることはティラノサウル...

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