黒いピアノと黒い猫 3
- カテゴリ: 自作小説
- 2023/09/20 13:37:29
父が僕をキライになったのは、僕が父の嘘を見抜いたから。
きっとそうだ。
だって、父が嘘を言うようになるまでは僕たちはけっこういい親子だったと思うから。その頃は母も生きていて、猫のエゼルも…。森で会った、あの猫はエゼルに似ていたな。瞳の色はエゼルは緑色だったけれど。どっちもしっとりしたビ...
父が僕をキライになったのは、僕が父の嘘を見抜いたから。
きっとそうだ。
だって、父が嘘を言うようになるまでは僕たちはけっこういい親子だったと思うから。その頃は母も生きていて、猫のエゼルも…。森で会った、あの猫はエゼルに似ていたな。瞳の色はエゼルは緑色だったけれど。どっちもしっとりしたビ...
先週に続いて赤いバラ部門で1位になれました!やった~(^▽^)/
今日からは期間限定販売のロイヤルローズの栽培をメインにするので赤いバラとはしばらくお別れです。
こんな暗い森を歩くのは初めてだった。
地面に時々見える灰色の木の根に足をとられないよう目をこらしながら歩く。不意に細い灰色の何かが何本も地面から突き出ているのが見えた。…女の人の指に見える。猫は振り向いて「ギャオウ」と鳴いた。
誰かが言っていた。猫は強い魔力を持つと。だから猫を従えてい...
細いナイフのような月の夜。金色の瞳の猫が僕に「あそぼう」と語りかけた。
僕は驚いて足がすくんでしまった。夜に溶けていたその黒猫はゆっくり僕に近づいて、「グァウ」と鳴いた。
あたりは暗い森で僕とその猫以外には動物の気配はなかった。もちろん人間の気配も。
森の奥には三日月の形の湖があって、壊れて朽ちかけ...
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