自作小説倶楽部9月投稿
- カテゴリ: 小説/詩
- 2023/09/30 22:26:24
『気の合う友達』
「当たっちゃった」と彼女がチケットをひらひらさせると集まった友達たちは口々に「さっすが、ユキ」とか、「うらやましい」とか羨望と賞賛の声を上げた。恒例の女子会だが大抵は自慢話会になる。その中でひときわ目立っているのが彼女だ。彼女の顔には満面の笑みが浮かんでいる。つい先日までストーカー...
『気の合う友達』
「当たっちゃった」と彼女がチケットをひらひらさせると集まった友達たちは口々に「さっすが、ユキ」とか、「うらやましい」とか羨望と賞賛の声を上げた。恒例の女子会だが大抵は自慢話会になる。その中でひときわ目立っているのが彼女だ。彼女の顔には満面の笑みが浮かんでいる。つい先日までストーカー...
『山小屋の事件』
泥沼をもがき、やっと浮かび上がったように目が覚める。男が重い瞼を開けると目の前に暗闇が迫っていた。小さくなった炎に気付き、慌てて手さぐりで木片を掴むと火に投げ込み、それから己が寝ていた床に手を這わせるとすぐに冷たい金属製の懐中電灯を掴むことが出来た。スイッチを入れかけたが囲炉裏で再...
|