チュルリョーニスの画集
- カテゴリ: 日記
- 2026/05/02 00:03:30
煙草に火をつけたが、味はしなかった。
ここには空気がない。あるのは、凍てついた銀河の残響だけだ。目の前には、巨大な『レックス(王)』が座っている。
奴は何も語らない。
王座の足元で、数えきれないほどの都市が砂粒のように崩れていくのを、
ただ、退屈そうに眺めているだけだ。俺はコートの襟を立て、
『ソナ...
煙草に火をつけたが、味はしなかった。
ここには空気がない。あるのは、凍てついた銀河の残響だけだ。目の前には、巨大な『レックス(王)』が座っている。
奴は何も語らない。
王座の足元で、数えきれないほどの都市が砂粒のように崩れていくのを、
ただ、退屈そうに眺めているだけだ。俺はコートの襟を立て、
『ソナ...
霧が濡らす、錆びついたクレーン。
誰もいないコンテナの影、
午前二時の埠頭は、
モンクのピアノ(『'Round Midnight』)のように、
ひどく不機嫌で、愛おしい。タバコに火を点ける。
マッチの炎が、波間に消える孤独を照らした。
あいつはもう来ない。
この苦いバーボンと、
跳ねるような、重たい...
5月の夜風は、裏切りの味がする。
埠頭の隅、錆びついたコンテナの陰で、
ポケットのウィスキーを煽る。
安物のバーボン、
冷えた喉を通り過ぎる時だけが、確かな現実(リアル)だ。ラジオから流れる、セロニアス・モンク。
不協和音が、5月の湿った夜空に不器用に溶けていく。
ピアノの鍵盤を指が跳ねるたび、
誰...
奴がコインランドリーの向こうに消えた後
私は、ある「違和感」を拭えずにいた
奴が座っていたベンチの上に、
一つだけ、忘れ物が残されていたからだ。それは、使い古された「銀のシガレットケース」
かつて私と奴が、地獄のような戦場を抜けた際に
互いの生存を祝って分け合った、対(つい)の片割れ。だが、私は思い...
回転するドラムの中で
私のシャツと、誰かの嘘が
混ざり合いながら、遠い銀河を形成している不快な湿気の中で、ベンチの隣に座ったのは
18年前、死んだはずだと噂されていた男だった
奴は相変わらず、サイズの合わない孤独を羽織っている「……何の用だ。ここは洗濯する場所だ。魂を洗う...