私の心は、あてもなくうつろい、ただ静かに崩れてゆく。
まるで、夜の底に音もなくこぼれ落ちる、白い桜の花びらのように。さっきまでの私と、今の私は、もう別の人間なのだ。
私の心でありながら、それは私の意志を拒み、冷たい硝子(がらす)の破片となって、胸の奥でひそやかにきらめき、そして私自身を傷つける。もう...
ようこそ。ここは、胸の奥に深く沈んだ悲しみや、消えない寂しさを、一滴の水滴のようにそっと救い上げる場所です。木々が深い影を落とす静寂の森。そこは、誰にも見せられない孤独な涙や、言葉にならなかった切ない想いが静かに息づく世界です。独りきりで佇む夜、心に溢れる冷たい雫を、壊れやすいガラス細工のように大切に綴ります。果てしない寂しさに寄り添い、あなたの孤独の影をそっと包み込めますように。静かな痛みを分かち合う、終わらない夜の記録です。
私の心は、あてもなくうつろい、ただ静かに崩れてゆく。
まるで、夜の底に音もなくこぼれ落ちる、白い桜の花びらのように。さっきまでの私と、今の私は、もう別の人間なのだ。
私の心でありながら、それは私の意志を拒み、冷たい硝子(がらす)の破片となって、胸の奥でひそやかにきらめき、そして私自身を傷つける。もう...
人間は、一瞬のまぼろしを食べて生きている。ほんの「たまゆら」の出来事だった。
時計の針で言えば、わずか数秒。通りすがりの見知らぬ人と肩が触れ合った、その程度の、取るに足りない時間。それなのに、私の胸の奥には、まるで錆びた剃刀で生身を切り裂かれたような、深く、惨めな傷跡が残ってしまった。他人は言うだろ...
夜汽車は ひとりきりの僕を乗せて
昏(くら)い夜の谿(たに)を ひたすらに走る
耳の底で 鳴りやまぬ古いチェロの音楽(うた)は
もう 誰の記憶でもない 寂しい調べだ窓のむこうの どこまでも青い闇から
冷ややかな月の光が 追つてくる
白い霧が立ち込め 風が窓を叩けば
見知らぬ僕の個影(こえい)が どこ...
夜汽車は ひとりきりの僕を乗せて
昏(くら)い夜の谿(たに)を ひたすらに走る
耳の底で 鳴りやまぬ古いチェロの音楽(うた)は
もう 誰の記憶でもない 寂しい調べだ窓のむこうの どこまでも青い闇から
冷ややかな月の光が 追つてくる
いくら速度(はやさ)をあげて 逃げやうとも
あの白い光は 僕の肩を ...
夜汽車は どこへ僕を運ぶのだらう
窓のむかふには 昏(くら)い夜のひろがり
かすかにひびく 古いチェロの音楽(うた)が
僕の耳の底で ずっと 鳴りやまずにゐるあゝ それは 遠い秋の日の記憶のやうに
ともされたランプのひかりのなか
あかい紅葉(もみぢ)の葉が ひとひら、ふたひら
僕たちの足もとに 落ち...