自作小説倶楽部9月投稿
- カテゴリ: 自作小説
- 2026/09/30 20:56:21
『木の下で』
気配に顔を上げ振り返ると引き戸の外で男がこちらをにらんでいた。見覚えのない人間だった。白髪に皺が刻まれた顔の中で眼がぎらぎらと光っている。「何でしょう?」脱ぎかけていた長靴を履き直し近寄って声を掛けた。人里ではあるが、この家の周囲は畑と山に囲まれて極端に人通りが無い。玄関先まで来たとい...
『木の下で』
気配に顔を上げ振り返ると引き戸の外で男がこちらをにらんでいた。見覚えのない人間だった。白髪に皺が刻まれた顔の中で眼がぎらぎらと光っている。「何でしょう?」脱ぎかけていた長靴を履き直し近寄って声を掛けた。人里ではあるが、この家の周囲は畑と山に囲まれて極端に人通りが無い。玄関先まで来たとい...
「再生」
息苦しさとともに意識が浮上した。身体ははいから重いが血液が手足を巡り、肺から息を吐き出す。干からびかけた泥から身を引きはがすように男は目を開けた。しかし目に映るのは漆黒の闇ばかりだった。原始的な恐怖に一瞬身をすくませ、身体の下の石畳の感触に自分が人工的な建造物のどこかに居ることに気づき少し...
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