Nicotto Town ニコッとタウン

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帰ってきた雨の港

錆びついたクレーンが、重い空を吊り上げている。
数年ぶりのこの街は、安物のウイスキーと同じ、ひどく喉に障る味がした。埠頭を叩く雨音は、誰かの言い訳のように執拗で、
撥ね上げた水飛沫が、磨き忘れた靴を汚していく。
俺を待っていたのは、歓迎の言葉じゃない。
コンクリートに染み込んだ、消えない過去の記憶だ...

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剥製

綺麗事の皮を剥げば
そこにあるのは、ただの肉塊だ
正義だの、愛だの、明日への希望だの
食い飽きた安物のガムのように
味のしない言葉を吐き捨てて、俺は歩く誰かに理解されたいと願うのは
鏡の中にまで他人を探す病だ
孤独が重いなら、その重みごと背負えばいい
逃げ出すための言い訳を練るくらいなら
黙ってその...

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垂直の不条理

世界には二種類の石しかない。
誰かの頭を砕く石か、誰かの沈黙を支える石かだ。目の前の壁は、後者だった。
垂直に切り立った巨大な沈黙。
人間どもはそこに額を押し当て、
「不在」という名の神に向かって熱烈に語りかけている。
だが、返ってくるのはいつも、自分自身の吐息の熱だけだ。俺は最後の一本の煙草に火を...

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歪んだ回路

その欲望は、もはやお前の肉体を超えている
神経を焼くノイズ
増設されたチップが刻む、異常な鼓動
お前が求めているのは「生」ではなく
ただの「加速」だ金、支配、あるいは永遠。
それらはデジタルな残像(ホログラム)
触れようとすれば、指は虚空をすり抜ける
お前は自分を神だと思い込んでいるが
実際は、巨大...

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★硝子の弾丸

ご立派な「正義」でございますね。
耳障りの良いその言葉は、どこかの誰かが
命を懸けて書き記した、使い古しの写しに過ぎません。あなたが声高に叫ぶその理想の中に、
あなた自身の流した血の匂いが、少しでも混じっているのでしょうか。借り物のマントを羽織り、
高みの見物で世を裁くのは、さぞかし愉快なことでしょ...

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