Nicotto Town ニコッとタウン

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眠りの森 〜言葉の雫〜

ようこそ。ここは、胸の奥に深く沈んだ悲しみや、消えない寂しさを、一滴の水滴のようにそっと救い上げる場所です。木々が深い影を落とす静寂の森。そこは、誰にも見せられない孤独な涙や、言葉にならなかった切ない想いが静かに息づく世界です。独りきりで佇む夜、心に溢れる冷たい雫を、壊れやすいガラス細工のように大切に綴ります。果てしない寂しさに寄り添い、あなたの孤独の影をそっと包み込めますように。静かな痛みを分かち合う、終わらない夜の記録です。

『午前二時のラスト・ワルツ』

午前二時の街は、静かに冷めていきます。
裏路地のバーの看板だけが、
まるで疲れた娼婦の口紅のように、
かすかに赤く明滅しておりました。あなたの残したウィスキーは、
琥珀色のまま、氷を溶かして、
もう誰も知らない場所へ沈んでいきました。
私の愛は、そのグラスの縁(ふち)に
静かにこびりついた、ただの汚...

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硝煙とガーデニア

深夜二時のダイナー
回るレコードの溝には
昨日流したはずの涙が
こびりついている彼女が口を開けば
安物のジンはヴィンテージに変わり
立ち上る煙草の煙は
天使の梯子を形作る「奇妙な果実」が揺れるたび
街の輪郭は歪み
正義と悪の境界線は
降り出した雨に溶けていった耳に飾った白いガーデニア
それは戦場に咲...

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聖なる虚構

世界がすべて偽物だとしても、
この渇きだけは、本物だと信じたかった。積み上げた嘘の城が、朝日を浴びて音を立てて崩れる。
俺は砂の山に膝をつき、
自分が空っぽだったことを、ようやく受け入れた。「救い」とは、真実に辿り着くことじゃない。
つき続けた嘘の重みに耐えかねて、
ただ、正しく絶望することだ。空虚...

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〒 消印のないデッド・レター

雨は、古い郵便ポストの錆をなぞるように降り続いている
俺の指先には、もう宛名の消えかけた一通の封筒切手は貼られていない
誰にも届けるつもりはなかったからだ
それとも、届けるべき相手が
もうこの街のどこにもいないからかバーボンの安酒で湿った喉を震わせ
俺は独り、闇に向かって吐き捨てる
「配達不能」とい...

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〒郵便  配達されない手紙

雨の午後は、古いタイプライターの音がよく響く。
デスクの引き出しの奥、
バーボンの空き瓶と錆びたライターに挟まれて、
その手紙は、まだ息をしている。宛先は、もう地図にはない街の
二度と開かないはずの扉。
切手は貼られていない。
届けるべき相手は、去年の冬、
煙霧の匂いだけを遺して、風になった。「元気...

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