『午前二時のラスト・ワルツ』
- カテゴリ: 日記
- 2026/04/01 12:28:38
午前二時の街は、静かに冷めていきます。
裏路地のバーの看板だけが、
まるで疲れた娼婦の口紅のように、
かすかに赤く明滅しておりました。あなたの残したウィスキーは、
琥珀色のまま、氷を溶かして、
もう誰も知らない場所へ沈んでいきました。
私の愛は、そのグラスの縁(ふち)に
静かにこびりついた、ただの汚...
ようこそ。ここは、胸の奥に深く沈んだ悲しみや、消えない寂しさを、一滴の水滴のようにそっと救い上げる場所です。木々が深い影を落とす静寂の森。そこは、誰にも見せられない孤独な涙や、言葉にならなかった切ない想いが静かに息づく世界です。独りきりで佇む夜、心に溢れる冷たい雫を、壊れやすいガラス細工のように大切に綴ります。果てしない寂しさに寄り添い、あなたの孤独の影をそっと包み込めますように。静かな痛みを分かち合う、終わらない夜の記録です。
午前二時の街は、静かに冷めていきます。
裏路地のバーの看板だけが、
まるで疲れた娼婦の口紅のように、
かすかに赤く明滅しておりました。あなたの残したウィスキーは、
琥珀色のまま、氷を溶かして、
もう誰も知らない場所へ沈んでいきました。
私の愛は、そのグラスの縁(ふち)に
静かにこびりついた、ただの汚...
深夜二時のダイナー
回るレコードの溝には
昨日流したはずの涙が
こびりついている彼女が口を開けば
安物のジンはヴィンテージに変わり
立ち上る煙草の煙は
天使の梯子を形作る「奇妙な果実」が揺れるたび
街の輪郭は歪み
正義と悪の境界線は
降り出した雨に溶けていった耳に飾った白いガーデニア
それは戦場に咲...
世界がすべて偽物だとしても、
この渇きだけは、本物だと信じたかった。積み上げた嘘の城が、朝日を浴びて音を立てて崩れる。
俺は砂の山に膝をつき、
自分が空っぽだったことを、ようやく受け入れた。「救い」とは、真実に辿り着くことじゃない。
つき続けた嘘の重みに耐えかねて、
ただ、正しく絶望することだ。空虚...
雨は、古い郵便ポストの錆をなぞるように降り続いている
俺の指先には、もう宛名の消えかけた一通の封筒切手は貼られていない
誰にも届けるつもりはなかったからだ
それとも、届けるべき相手が
もうこの街のどこにもいないからかバーボンの安酒で湿った喉を震わせ
俺は独り、闇に向かって吐き捨てる
「配達不能」とい...
雨の午後は、古いタイプライターの音がよく響く。
デスクの引き出しの奥、
バーボンの空き瓶と錆びたライターに挟まれて、
その手紙は、まだ息をしている。宛先は、もう地図にはない街の
二度と開かないはずの扉。
切手は貼られていない。
届けるべき相手は、去年の冬、
煙霧の匂いだけを遺して、風になった。「元気...