Nicotto Town ニコッとタウン

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Cry Me a River2

薄明(はくめい)のカーテンを引き、
部屋の明かりをすべて落とす。徹夜明けの重い体を引きずって、
ソファの深みに身を沈めれば、
ようやく世界から「自分」を取り戻した気がした。窓の外では、朝の光がすべてを現実に引き戻そうとしているけれど、
この部屋だけは、まだ夜の余韻に守られている。レコードの針が落とさ...

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Cry Me a River

朝焼けに染まる街角、冷え切ったコンクリートが放つ静謐な空気。
ジュリー・ロンドンのハスキーな歌声が、夜の残滓をなでるように響いている。流れるのは『Cry Me a River』。指先に挟んだ煙草から、一筋の煙が薄明の空へと溶けていく。
昨夜の喧騒も、誰かの裏切りも、
昇り始めた太陽がすべてを白く塗り...

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夢の代償、空(から)の指定席

彼女が欲しがっていたのは、宝石でも異国のドレスでもなかった。
夕暮れの「ウミノ」で、ミルクセーキを飲みながら、
彼女はただ、俺のネクタイが真っ直ぐに直される朝を、
地に足のついた、退屈で、けれど確かな明日を願っていたんだ。「あなたはいつも、とんでいるから」その言葉は、SOSだった。
俺をこの地上に、...

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硝子(ガラス)の瞳とバーボン

夜の底に沈んだ街角
街灯の下で、彼女は異国の響きを孕んだ声で笑った
半分は遠い海の向こうの血
半分は、このやりきれない都会の煤(すす)「さよなら」なんて言葉は、安物の弾丸と同じだ
胸に穴を開けるだけで、何も解決しやしない
彼女の薄い唇から零れたのは
ただの、静かな空気の振動だったバーボンの焼けるよう...

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居留地の残照2

南山手の坂、十六番館の庭から見下ろす海は、
夕日に焼かれて、まるで溶けた金細工のようだった。
対岸の稲佐山が、その赤い光を背負って巨大な影を作る。
「綺麗ね」と呟くお前の横顔は、
どの景色よりも残酷なほど美しかった。石畳を歩けば、すれ違う誰もが足を止め、
半分混じった異国の血が織りなすその造形に、息...

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