カウンターの隅、氷が溶けてカチリと鳴った。
男は、自分のものではない琥珀色のグラスを見つめていた。向かいの席は空だそこには一冊の、手垢で汚れた古い詩集だけが置かれている。
「あいつは、最後までこれを手放さなかった」
マスターが、手慣れた手つきでグラスを拭きながら言った。
男は応えない。ポケット...
カウンターの隅、氷が溶けてカチリと鳴った。
男は、自分のものではない琥珀色のグラスを見つめていた。向かいの席は空だそこには一冊の、手垢で汚れた古い詩集だけが置かれている。
「あいつは、最後までこれを手放さなかった」
マスターが、手慣れた手つきでグラスを拭きながら言った。
男は応えない。ポケット...