暮れに里より幾ばくかの仕送りがあった。
姫に使えるこの身を憂いて苦しい中、兄者も無理をして都合して下されたのであろうと感涙にむせた。
正月に里に戻って見れば屋敷の普請が進んでおった。なんでも秋口の嵐で屋根が酷く傷んだので金に成りそうな物を売って修繕をすることになったそうな。
はて、山里の田舎家故に...
暮れに里より幾ばくかの仕送りがあった。
姫に使えるこの身を憂いて苦しい中、兄者も無理をして都合して下されたのであろうと感涙にむせた。
正月に里に戻って見れば屋敷の普請が進んでおった。なんでも秋口の嵐で屋根が酷く傷んだので金に成りそうな物を売って修繕をすることになったそうな。
はて、山里の田舎家故に...
最近、街を歩いておって気になるのがやたらと目につくキノコや栗に扮した人々である。
みな、同じ恰好で誰が誰やらとんとわからぬ。
あれがいわゆる〈とれんど〉なるものであろうか。某、流行りには疎いのでよくはわからぬが、世間ではあのような恰好が〈なうい〉なるものと称されるのであろうか。あのような姿で一列に並...