灰色のパステルに寄せる挽歌
- カテゴリ: 小説/詩
- 2026/07/07 05:30:01
I. 閉ざされた窓水色のパステルは いつしか涙に滲み
白浜のハマヒルガオは うつむいたまま動かない
おまえの去った渚には ただ冷たい砂だけが残り
わたしの個影を 夕闇のなかへ深く沈めてゆく岬のすたれたホテルの けして開かない硝子窓
その向こうには もう誰もいない灰色の部屋がある
潮騒は 失われた季節...
ようこそ。ここは、胸の奥に深く沈んだ悲しみや、消えない寂しさを、一滴の水滴のようにそっと救い上げる場所です。木々が深い影を落とす静寂の森。そこは、誰にも見せられない孤独な涙や、言葉にならなかった切ない想いが静かに息づく世界です。独りきりで佇む夜、心に溢れる冷たい雫を、壊れやすいガラス細工のように大切に綴ります。果てしない寂しさに寄り添い、あなたの孤独の影をそっと包み込めますように。静かな痛みを分かち合う、終わらない夜の記録です。
I. 閉ざされた窓水色のパステルは いつしか涙に滲み
白浜のハマヒルガオは うつむいたまま動かない
おまえの去った渚には ただ冷たい砂だけが残り
わたしの個影を 夕闇のなかへ深く沈めてゆく岬のすたれたホテルの けして開かない硝子窓
その向こうには もう誰もいない灰色の部屋がある
潮騒は 失われた季節...
I. 窓のひらくだけのトパーズ薄青いパステルの空が 海にとけてゆく
白浜のくぼみに咲いた ハマヒルガオの淡い桃色は
まるでだれかが 砂のうえに落とした
小さな一文字の 恋文のようだった見知らぬ岬のホテルの 白い窓をひらけば
潮騒はかすかな トパーズの階調(しらべ)を帯びて
おまえの残した あの一本の...
I. 渚に咲くもの風のとおるみちすじに ひそやかに
うす紅のともしびをともすものがある
白浜の かわいた砂のくぼみに
ハマヒルガオは かすかな記憶のようにひらかれていた波のきれはしが たえずその足元を濡らし
洗いたてられた貝殻が 光をはね返している
おまえはそこに ひとつの影をおいて去った
まるで最...
白い砂は ひそやかにかわき
波のきれはしが たえず洗う白浜のくぼみに
ハマヒルガオは うす紅のささやきをひらいていた
風はかすかに 岬の方から吹いてきて
おまえの髪のにおいを どこかへ運んでゆく追憶のなかの あの一本の樹のように
砂丘のうえに ぽつんと残された個影よ
わたしは耳をすます あの日の歌の...
うす青き 夕雲はるかにながれて
小鳥らは うす桃色のねむりにつけり
窓のそと そよぐ風のうたふをきけば
遠き國の かなしき戦(たたかひ)をおもふなり水面(みなも)には 淡きひかりのともしび揺れて
あまたの灯籠は 夜の河をくだりゆく
消え去りし やさしき魂(たましひ)をはこぶごと
くらい水のなかに た...