深い闇のなか、ただ静かに星のまたたきを数えるように。
すべての音が眠りについた、いちばん優しい夜の底。星屑の森によせてだれもいない、夜のしじまのなかで、
古いオルガンは、息をひそめて眠っている。
窓からさしこむ、あえかな星のひかりだけが、
かすれた鍵盤の上に、しずかに横たわっていた。もう、あの細い指...
ようこそ。ここは、胸の奥に深く沈んだ悲しみや、消えない寂しさを、一滴の水滴のようにそっと救い上げる場所です。木々が深い影を落とす静寂の森。そこは、誰にも見せられない孤独な涙や、言葉にならなかった切ない想いが静かに息づく世界です。独りきりで佇む夜、心に溢れる冷たい雫を、壊れやすいガラス細工のように大切に綴ります。果てしない寂しさに寄り添い、あなたの孤独の影をそっと包み込めますように。静かな痛みを分かち合う、終わらない夜の記録です。
深い闇のなか、ただ静かに星のまたたきを数えるように。
すべての音が眠りについた、いちばん優しい夜の底。星屑の森によせてだれもいない、夜のしじまのなかで、
古いオルガンは、息をひそめて眠っている。
窓からさしこむ、あえかな星のひかりだけが、
かすれた鍵盤の上に、しずかに横たわっていた。もう、あの細い指...
微かな風が、色褪せた鍵盤をなでてゆく。
追憶のなかでだけ、その歌は静かに響きつづける。星屑の森によせてだれもいない、がらんとした部屋のすみに、
古いオルガンが、ぽつねんと眠っている。
星の光が、窓のすきまからそっと忍びこんで、
象牙(ぞうげ)の鍵盤を、淡い銀色に染めていた。むかし、そこには、
硝子(...
誰もゐない、夜のしじまのなかに、
古いオルガンは形見のやうに眠つてゐる。
窓からさしこむ、あえかな星のひかりだけが、
あなたの触れた鍵盤のうへに、涙のやうにこぼれてゐた。もう、あの細い指がここに還ることはない。
硝子(がらす)のやうに儚く消えた、優しい面影、
千切れ雲のゆくへを追ふ、わたしのこの手は...
昏い夜の淵に、ぽつぽつと灯る記憶のあわい。
私たちはいつから、これほど遠くへ来てしまったのだろう。
さびしい光が、梢のさきで震えている。
それは、むかし誰かが落とした溜息のようで、
あるいは、もう届かない祈りの破片(かけら)のようで、
あんなに優しかった青い夜空の、あれは静かな、涙のあと。風は、だれ...
I. 閉ざされた窓水色のパステルは いつしか涙に滲み
白浜のハマヒルガオは うつむいたまま動かない
おまえの去った渚には ただ冷たい砂だけが残り
わたしの個影を 夕闇のなかへ深く沈めてゆく岬のすたれたホテルの けして開かない硝子窓
その向こうには もう誰もいない灰色の部屋がある
潮騒は 失われた季節...