ある雨の日の公園での出来事です
そこにはブランコと
傍らに小さなベンチが一つありました
ブランコには子供のカタツムリが
笑顔で乗っています
横のベンチで母さんカタツムリも
笑顔で見守っています
誰もいない雨の日に
彼は夢にまで見たブランコに乗っています
晴れた日に葉っぱの影から
いつも見...
ある雨の日の公園での出来事です
そこにはブランコと
傍らに小さなベンチが一つありました
ブランコには子供のカタツムリが
笑顔で乗っています
横のベンチで母さんカタツムリも
笑顔で見守っています
誰もいない雨の日に
彼は夢にまで見たブランコに乗っています
晴れた日に葉っぱの影から
いつも見...
白い月あかりの中を
舞い落ちる花びらは
自らの影を見つめながら
その一生を終える
それは舞い落ちていく
しじまの中を
何千枚
何万枚と
それは舞い落ちていく
なにも語らずに
私もその中の
一枚なのだろうか
ひらりひらりと
一人舞い落ちていく
白い光の中を
少し冷たい春の風の中を
ゆれ...
カゴの中には
緑色のたくさんの種
ここは季節の種を蒔く
妖精の倉庫です
今日は春の種を蒔きに行く日
種たちも今か今かと待っています
その中に一つだけ白い種が
あれあれ冬の雪の種が混ざっています
置いてきぼりにされた冬の種
芽が出て花が開くと雪が降ってしまいます
白い種はそんなことを知りませ...
怪獣ガチャコン
何でも食べる
昨日も食べた
たくさん食べた
愛を食べた
恋を食べた
笑った笑った
楽しくなった
だけど急に
涙を流した
悲しみが混ざっていた
愛の中に恋の中に
どうしたの
どうしたの
怪獣ガチャコン
気になった
悲しみだけをもらって
あとは元に戻した
愛が戻り
恋が...
鳥がいなくなった
渡り鳥がいなくなった
春の風が吹く前に
冬の最後の風に乗って飛んで行った
それは傘の花が開く雨の日に
それは春咲く花を見る前に
鳥がいなくなった
渡り鳥がいなくなった
冬の小さな欠片を残して
渡り鳥がいなくなった
河原で遊んでいる白い鳥たちが
いつの間にか消えてしまっ...