お願いが一つだけあります
- カテゴリ: 小説/詩
- 2012/06/24 11:07:25
雛のさえずりが聞こえる
巣立ちをするのはいつだろう
きっと風が心地よく吹く日に
きっとお日様がにっこりと照る日に
風に乗りやさしい光に包まれて
新しい世界へと飛び立っていくのだろう
お願いがひとつあります
聞いてくれれば幸いです
今度のお盆に
父と母の魂の道案内をしてくれませんか
父は目が...
雛のさえずりが聞こえる
巣立ちをするのはいつだろう
きっと風が心地よく吹く日に
きっとお日様がにっこりと照る日に
風に乗りやさしい光に包まれて
新しい世界へと飛び立っていくのだろう
お願いがひとつあります
聞いてくれれば幸いです
今度のお盆に
父と母の魂の道案内をしてくれませんか
父は目が...
よいしょ
よっこいしょって
葉っぱの上を
一生懸命に歩いてる
いただきます
美味しいなって
やわらかそうな
緑の葉っぱを食べている
小さくても負けないぞ
大きな殻を作るんだ
見ててね
見ててね
よいしょ
よこいしょって雨の中
カタツムリの赤ちゃんは
よこいしょって雨の中
昨日の日...
雨
雨
あなたを濡らす雨が
私にもやさしく降りそそぐ
手のひらの雨粒をそっと握るように
抱きよせる肩
二人の息が聞こえる
透明な雨音に混ざって
このままずっと濡れていよう
それだけしか僕にはできないよ
寒くはないかい
ずっとそばにいてあげるから
ちゃってね!
今日は雨音が妙に心に響き...
扉を開けた
大勢の人たちが生まれていく
扉を開けた
大勢の人たちが死んでいく
扉を開けた
私の姿が映った
扉を開けた
私の顔が映った
笑っているような
泣いているような
勇ましく戦っているような
助けを求めているような
扉を閉めた
思いっきり閉めた
過去も未来も見たくない
今のままがい...
ゆれる夜汽車のなかにいる
今はいったい何時なのだろう
景色が後ろへ後ろへと流れていく
遠ざかる街の灯に過去が消えていく
あの日が消えた
思い出がまた一つ消えた
消えてしまったほうがいいのだろうか
消してしまったほうがいいのだろうか
あの人が消えた
愛がまた一つ消えた
夜汽車は走り続ける
深...