電話のベルが鳴ったあわててスマホを見る
着信履歴がない
イアホンから竹内まりやの「告白」が流れている
横になったら寝てしまったようだ少し肌寒い
そのままスマホの電話帳を開くそして「M」の文字をタップする
初めから6番目の名前を見つめる最後の電話はいつだったろう
夏の暑い日が浮かんだ今、何をしているの...
電話のベルが鳴ったあわててスマホを見る
着信履歴がない
イアホンから竹内まりやの「告白」が流れている
横になったら寝てしまったようだ少し肌寒い
そのままスマホの電話帳を開くそして「M」の文字をタップする
初めから6番目の名前を見つめる最後の電話はいつだったろう
夏の暑い日が浮かんだ今、何をしているの...
あなたがベンチに座って見ているのは緑色なのだろうか
公園の大きな木の下その後ろには大きな青い空がある
あなたは澄んだ瞳で何を見つめているのだろうか
手には飲みかけのボトルがベンチの上に読みかけの本が一冊
あなたが呼吸をしている何かを見上げながら
草に寝転びながら私はあなたを見つめている
同じようにそ...
彼岸花の細い花びらに銀色の雨の雫が鈍く光る
そんな今日の雨は私に冷たい
花のように寂しさも揺れている私はそんなに強くはない
雨音が強くなってきた赤い花びらがさらに揺れる
どれくらい待っているのだろうかあなたを
雨は降るこれでもかと強く降る
窓辺にたたずみ降る雨を見ている
赤い花の群生が雨に打たれ風に...
そんなにも遠くへ行ってしまった愛は手を伸ばしても届かない
風の姿は見えないけれどカーテンを揺らしあなたの香りを運んでくる
時間の姿は見えないけれど想い出が目の前に浮かんでは消えていく
どこに居るのですかあなたは
夜が暗いのはあなたを隠すためなのですか
わたしは目をつぶり黒と同化する
そして細い糸...
キンモクセイの香りに9月の雨が降る
秋の風が優しく頬をなで薄紫の桔梗の花が静かに揺れている
その景色を一人たたずみぼんやり見ている私がいる
あなたの香りがするそしてあなたの面影が揺れる
想い出のページを閉じてしまっても刻まれた記憶は消えることがない
私は再び歩き始めるこの雨の中
澄んだ花の香りと冷た...