ねえ、笑ってやってください。
私は今日、道端で倒れかかっているお婆さんを見かけて、とっさに助け起こそうとしたのです。けれどね、その瞬間に私の脳裏をよぎったのは、あのみすぼらしいスマートフォンと、青い鳥のマークの画面でした。
「これを今、誰かに写真に撮ってもらって、『今日、良いことをした』と呟けば、...
ようこそ。ここは、胸の奥に深く沈んだ悲しみや、消えない寂しさを、一滴の水滴のようにそっと救い上げる場所です。木々が深い影を落とす静寂の森。そこは、誰にも見せられない孤独な涙や、言葉にならなかった切ない想いが静かに息づく世界です。独りきりで佇む夜、心に溢れる冷たい雫を、壊れやすいガラス細工のように大切に綴ります。果てしない寂しさに寄り添い、あなたの孤独の影をそっと包み込めますように。静かな痛みを分かち合う、終わらない夜の記録です。
ねえ、笑ってやってください。
私は今日、道端で倒れかかっているお婆さんを見かけて、とっさに助け起こそうとしたのです。けれどね、その瞬間に私の脳裏をよぎったのは、あのみすぼらしいスマートフォンと、青い鳥のマークの画面でした。
「これを今、誰かに写真に撮ってもらって、『今日、良いことをした』と呟けば、...
ねえ、あなたも薄々、気がついているのでしょう?
この「社会」なんて大層な名前のついたお行儀の良い仕組みが、実はとっくに、中身のないガラガラの手落ち袋みたいになっているってことに。 みんな、壊したがっているんですよ。
口では「平和」だの「幸福」だの、まるで仕立ておろしの綺麗な着物みたいな言葉を並べ...
破壊、という言葉の、なんと甘美で、そうして薄汚い響きを帯びていることか。
私たちはみな、壊したがっているのだ。壊して、壊して、何もかもまっさらにして、そうしてその瓦礫の上で、ただ一人、大声をあげて泣き崩れたいと願っている。それを人は「頽廃(たいはい)」と呼び、「悪徳」と呼んで眉をひそめるけれども、...
もう日が暮れるといふのに
風はまだ小川のさざなみをゆすつてゐる
おまへが遠くへ去つてから
この窓のそとには いつも冷たい寂寥がひろがる傾いた光が 部屋の隅々に長い影をのばす
それは僕の孤独のやうに じつと動かない
足元にひつそりと咲く野菊のやうに
僕はふたたび 誰もゐない道に眼を向ける風よ おまへは...
おまへの髪をさらふのは どこの秋の風だらうか
さうして青い空の深みから やはらかな光が降る
僕はまた静かな道をひとり歩いてゐる
なつかしい面影をこころに抱いて――小川の面(おもて)をわたる風が
すずしいささやきを置き去りにする
おまへは今どこで何を思つてゐるだらう
とほい倖(さち)の音を聞くやうに&...