春の緑を求めて
丘の入り口まで
そこから登る坂道は
緩やかに上へとつないでいる
あなたの大きな歩幅に
ついて行くのがやっと
春を見つけた度に
輝くように見つめている
私も春の妖精になって
あなたの肩にとまりたい
気付かないあなたの歩みを
じっと感じていたい
やがて散策をやめて
車にまた戻る
愛...
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春の緑を求めて
丘の入り口まで
そこから登る坂道は
緩やかに上へとつないでいる
あなたの大きな歩幅に
ついて行くのがやっと
春を見つけた度に
輝くように見つめている
私も春の妖精になって
あなたの肩にとまりたい
気付かないあなたの歩みを
じっと感じていたい
やがて散策をやめて
車にまた戻る
愛...
真夜中に
電話のがかかってきた
あなたのさびしい声
またいつもだ
一人がさびしいんだ
真夜中に
車を運転して
彼の部屋に向かう
二人でワインを飲みながら
彼の失恋の話を聞く
そのうち彼は寝てしまう
運転できないし
眠れるはずもない私
白々と明けていく朝が
悲しいほどに明るい
辛い度にかけ...
雨が降っている
春の夜の嵐
通り過ぎていけば
一気に春は盛りを迎える
遠い足袋をしてきた
あなたが帰って来たように
長い旅をしてきたあなた
何の連絡もなく
でも信じていた
彼が元気でいることも
時にはたとぢまることも
私を思ってくれていることも
かすかに微笑みながら
縁側に座って
黙ったまま...
雨の降る日曜日
行きつけのカフェの2階席から
窓の外を通る
傘の花を見ている
そこを走っていく姿
傘がない
濡れないかしら
その時濡れた彼が入ってきた
「また傘を持っていないのかい」
マスターと親しげ
私と同じカプチーノ
カウンターに座る彼
マスターとの会話が始まる
時々笑えてしまう
そ...
あれから2年がたつ
私にも新しい彼ができた
でも いまだにバイクの音を聞くと
つい振り返ってしまう
彼が事故に会ったのは
私との約束の日
時間を気にして
焦ったのだろうか
逝ってしまった彼
涙の毎日
それでも時間は過ぎていく
いつしか思いも過ぎていく
あれから2年がたつ
今年も命日がやっ...