Nicotto Town



桜の夢数年後


数カ月前までは桜の甘い匂いという激臭が屋敷内を満たしていたが、それも少しづつ薄まっていき、今では立派な葉桜になっている。雲一つない、胸糞悪くなるくらいのいい天気なため洗濯物を干していると、桜の木の木陰で自動人形風ラジカセのパロディが、この桜の故郷でもある遠い東の国の歌を歌い始めた。幼なじみの一人で...

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迷子を送り届けに



ふと城の窓に、一匹のカラスが座っていた。カァ、カァ、と小さく鳴くカラスは、不安そうな目をこちらに向けている。
「君はどこのカラス君だ?」
訪ねても、カァと鳴くだけであった。黒くて美しい羽は、よく手入れされており、やはり野生のカラスではないのだろう。さて困ったなと一人の女軍人が頭をガシガシとかく。...

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