きのこのクリームパスタの青空あえ
- カテゴリ: 小説/詩
- 2024/11/04 01:37:28
澄み切った青空が欲しい秋のこの青空を食べたい
私はバターナイフで今日の青空を切り取った
青く透明な角砂糖のようなそれは暖かな陽だまりの香りがした
手のひらにのせた時秋の風が吹くと青空は溶けてしまった
11時25分私は青い空を使い昼食を作り始める
もう一度青い空を切り抜ききのこのクリームパスタの上に置...
澄み切った青空が欲しい秋のこの青空を食べたい
私はバターナイフで今日の青空を切り取った
青く透明な角砂糖のようなそれは暖かな陽だまりの香りがした
手のひらにのせた時秋の風が吹くと青空は溶けてしまった
11時25分私は青い空を使い昼食を作り始める
もう一度青い空を切り抜ききのこのクリームパスタの上に置...
ねぇ海から蝶が生まれるって知ってるかい
見て砂浜を独りで歩くあの娘がそうなんだ
それは嵐の翌朝さ輝く朝日を背にして波打ち際にあの娘が立っていたんだ
夢かと思ったよ僕は目を凝らし見とれていた
この村の言い伝え嵐の夜に白いさなぎが打ち上げられ蝶になるんだ
皆の視線を集める砂の上の蝶きっと神様からの贈り物...
この暑さに溶けだしているアイスキャンディー
そんな崩れそうな愛情をもてあそぶ日々
あなたが私を必要としているほど私はあなたを必要としてはいない
揺れる陽炎の中に私たちの先は見えている
記憶の中に無駄に暑い日が続く
そう私が見ている遠くをあなたは知らない
焼けたアスファルトに二人の影が黒く映り込む
こ...
京都の夜
鴨川の土手の上
川面を見つめ
打ち上げ花火
ヒュルヒュルと天に舞い
落ちてくるは落下傘
ついでに見える空飛ぶ円盤
四条通を歩く
人、人、人
絣の着物が美しい
提灯が明るく鉾を照らしだす
新町通りに入る
夜店、芋を洗うような人
売り声に掛け声
それ以外は聞こえない
ここにも鉾はそそり立...
霧雨に煙る坂道を傘も差さず歩く私たち
狭い闇に包まれすれ違う人にも気付かない
二人の呼吸は重なり合うことは無くそれでも無言で歩いていく
想いの一つ一つが剥がれ落ちていく
音もなく
そう全てが消えてしまったのだ
私たちは消えてしまったのだ街灯の光が鈍く路上に滲む
濡れた路上に私たちの影はもう映らない
...