折り鶴 ── 病み2
- カテゴリ: 小説/詩
- 2026/07/01 17:25:47
I.昏い響きあんなにも優しく青空がひろがつてゐるのに
微風のなかに ただ遠くかすれて響いてくるのは
教会の あの一つのつめたい鐘の音(ね)
それはぼくの耳の奥を しづかに刺しつらぬき
死へのおそすぎる目覚めを 告げる弔鐘(ちようしよう)ぼくのからだのなかに 深くねむる黒い血は
見えない毒のように し...
ようこそ。ここは、胸の奥に深く沈んだ悲しみや、消えない寂しさを、一滴の水滴のようにそっと救い上げる場所です。木々が深い影を落とす静寂の森。そこは、誰にも見せられない孤独な涙や、言葉にならなかった切ない想いが静かに息づく世界です。独りきりで佇む夜、心に溢れる冷たい雫を、壊れやすいガラス細工のように大切に綴ります。果てしない寂しさに寄り添い、あなたの孤独の影をそっと包み込めますように。静かな痛みを分かち合う、終わらない夜の記録です。
I.昏い響きあんなにも優しく青空がひろがつてゐるのに
微風のなかに ただ遠くかすれて響いてくるのは
教会の あの一つのつめたい鐘の音(ね)
それはぼくの耳の奥を しづかに刺しつらぬき
死へのおそすぎる目覚めを 告げる弔鐘(ちようしよう)ぼくのからだのなかに 深くねむる黒い血は
見えない毒のように し...
I.翳(かげ)のなかであんなにも優しく青空がひろがつてゐるのに
風はなにごともなかつたかのように吹きすぎて
あかい千羽鶴のむれを ただ冷たくゆすぶる
ここはすべてのいのちが焼きつくされた場所
あの日から ぼくたちの時間はとまつたままぼくのからだのなかに 深くねむる黒い血は
見えない毒のように しづか...
さうしてスイカズラの白い花はかたみに寄り添ひ
甘い香りをひそませて風のゆくへを待つてゐた
私はおまへの影をふみわけてこの道にかへり來た
あざやかなバラの紅(べに)が夕闇のなかにほのめくわすれられたおもひではいつも空しいものだらうか
いや、ちひさな花びらのやうに私の胸のなかで顫(ふる)へてゐる
いつか...
長い 冬の旅の おはりに
ぼくの 個影(こえい)は ひとつの 窓辺に ついた
まだ つめたい 残雪の むこうから
かすかな 雲雀(ひばり)の うたが 聞こえるあんなに 凍えてゐた 草原(くさはら)にも
やはらかな 日差しが びよせられ
ぼくの shivering(ふるへ)る 影の ふちに
あたらし...
あかるい夏草の 記憶ははるか
いまはただ 白い雪の 荒野がつづく
ぼくの 足跡だけが ぽつねんと
凍てついた 地上に 残されてゐるきみを つれてゆく筈だつた
この 寂しい 異郷の 冬の旅
マントの 襟を 深く あわせながら
ぼくは ひとりで 風のうたを 聴くすべては 凍りつき 眠つてしまつた
あの日...