そうだ雪が降っていたこの景色はすべてが冷たく白かった
今はどうだろう吹く風も暖かく全てが緑に萌えている
つるバラも無数の蕾を付けたもうじき赤い小さな花を咲かせる
枝に触れると棘が痛い私もバラも生きているのだ
瞬時に思い出すそうだ雪が降っていた
心の小さな感傷が冷たく白い雪に温かな涙を落とした時を
今...
そうだ雪が降っていたこの景色はすべてが冷たく白かった
今はどうだろう吹く風も暖かく全てが緑に萌えている
つるバラも無数の蕾を付けたもうじき赤い小さな花を咲かせる
枝に触れると棘が痛い私もバラも生きているのだ
瞬時に思い出すそうだ雪が降っていた
心の小さな感傷が冷たく白い雪に温かな涙を落とした時を
今...
私があなたを好きになったのは私ではなく鏡の中の私だった
自分の部屋が背景に映り込んだ鏡の中の私がそう言ったのだ
人を信じることのない私が鏡の中の私を信じてしまった
不完全な愛はここから始まった
街の大きなショッピングウインドウに映る私と彼の映像
おしゃれな格好をして手をつないでいる
それを見た瞬間が...
あまりの晴れやかな日に虫たちは行進をする
広い庭の端から端へ虫の獣道がそこにはある
虫眼鏡でも見えない足跡が無数にある
私も小さくなって道を歩く背中に羽があったら飛べるのに
アリもダンゴムシもそう思っているとさっき知った
春の日差しが暑い草の葉の陰で一休み
急いで餌を運ぶアリが言ったもうじき雨が降...
遠い日の思い出は
ぼやけているけど印象的だ
笑った顔
怒った顔
笑った声
怒った声
化粧の香り
香水の香り
服の色目
髪の形
遠い日の思い出は
ぼやけているけど印象的だ
花びらが風に舞い散るように
一つ一つが落ちてきて欲しいな
その一つ一つ手の...
葉桜
瑞々しい若葉が青空に映える命が風になびいている
きれいなピンクや白の花びらはプロローグなのかもしれない
桜の主張は花びらではない生まれてくるこの若葉がそれだ
優し気な花びらに守られて生まれてくる新緑の美しさ
春の中に一斉に顔を出す花びらの絨毯をそっと人知れず登ってやって来たのか
この花の優しさ...