今日の冬の雨は冷たい
凍える手で握る濡れたスマホの画面に雨粒が光っている
眼前に広い公園の白い石畳が浮いて見えるそこには流れる水玉のように傘が点々としている
手が届きそうで届かないそんな空間が広がっている
確かにあったのだそこに
心の中に大きな建屋が一つ黒塗りの土台に黒い重厚な屋根
紫の外壁に朱の内...
今日の冬の雨は冷たい
凍える手で握る濡れたスマホの画面に雨粒が光っている
眼前に広い公園の白い石畳が浮いて見えるそこには流れる水玉のように傘が点々としている
手が届きそうで届かないそんな空間が広がっている
確かにあったのだそこに
心の中に大きな建屋が一つ黒塗りの土台に黒い重厚な屋根
紫の外壁に朱の内...
私は戻ってきたあなたに逢うために
漆黒のマイナス270℃の世界より
光が見えた体が暖かくなってきた
もう少しだ温もりの世界まで
2000年の旅は終わる覚えていますか私を
あなたは子供だった澄んだ瞳で私を見続けていた
長い尾を引いて夜空を照らしてあげよう
もう少しだあなたの世界まで
まだ覚えていますか...
淡い墨絵のようになってしまった心に冬の雨が降る
冷たい冷たい雨が降る
いくつもの滲んだ輪取りの中に貴女の姿も滲んでいく
凍える指先で雨粒を撫ぜると透き通った痛さが伝わってくる
北風が強く吹いている追い打ちをかけるように
景色の中に雨が弾け散る想い出と一緒に弾け散る
さらに強くなる雨の中私は傘を閉じ雨...
ごそごそごそごそ庭から音が聞こえますよ~く見ると小さな半透明の何かが動いています
あれは星虫だよおばあさんが言いました
空は降るような満天の星空でしたでもなんで透き通っているんだろう
星の光が足りないのかもしれないねおばあさんが言いました
空を見ました青い星に白い星それと黄色い星・・・
おやおや赤い...
ごそごそごそ何か庭から音が聞こえてきます
あれは月虫の音だよおばあさまが言いました
そっと窓を少し開けてのぞいてみました
よく見ると小さな丸い白い虫がいますごそごそごそごそ
月の光を食べているんだよおばあさまが言いました
よぉく見ると月に向かってぱくぱく口を開けたり閉じたり
それとな月の光で体を洗っ...