私を名付けないで
娘という名 妻という名
重々しい母という名でしつらえた座に
坐りきりにさせないでください
わたしは風
りんごの木と
泉のありかを知っている風
私を区切らないで
コンマ、ピリオド、いつ...
昔、昔ギリシャにゼウスという神がいました。
その末っ子の名前はヘルメス!
その800代目の子孫が僕ちゃん!
決して嘘八百ではありません。
自由気ままな僕は泥棒や山賊の守り神
私を名付けないで
娘という名 妻という名
重々しい母という名でしつらえた座に
坐りきりにさせないでください
わたしは風
りんごの木と
泉のありかを知っている風
私を区切らないで
コンマ、ピリオド、いつ...
『小さな薄い辞書だけを持って、見知らぬ国に住んでみたい』そう言い残して君は僕のもとを去って行った
それから数ヶ月が過ぎて一通の手紙が僕のもとに届いた
自分を語る言葉を捜しているとページをめくる手が透き通ってきました。やがて、全身が消えてしまうと他の人には風に吹かれてページがめくれているように...
どんなに綺麗な言葉より
どんなに洒落た言葉より
どんなに熱い眼差しより
「好き!♥」
の一言がいちばん嬉しかった
君だけを見つめ
君だけの声を確かめ
君だけのことを感じ取り ...
祈りは今日も裁かれ続ける
小さなお前には小さな祈り
木々の花よりやさしく空を見上げ自分の未来を知らぬままお前は処刑された
寂しい祈りのかけらでできた天使たちは痩せこけ立ち並ぶバラックの教会から今日も牧師が連行された
罪を裁くのは誰だ
開かれた1冊の聖書の中をお前はどれほど遠くまで行...
雪のように
人は皆、他とは違った生き方を好む
雪が六角形の枠のなかでさえ
模様の変化を競うように
人は皆、同じ生き方をしている
雪が自分以外の色に超然としているようで
実は、他の色にやすやすと染まるように
人は皆、同じ生...
|