夏の海潮風が優しく吹く
やがて陽が沈み少し冷えた風が頬をなぜる
岬の影から打ち上げ花火が見えるいくつもいくつも音を立てて
固まった白い小さな貝殻が二つ波にさらされていた
それは私たちさよならの言葉が言えない私たち
砂浜に座る二人
明け方までここに居るのかな
手を握るその時に岬の花火が砕けた
遠い空に...
夏の海潮風が優しく吹く
やがて陽が沈み少し冷えた風が頬をなぜる
岬の影から打ち上げ花火が見えるいくつもいくつも音を立てて
固まった白い小さな貝殻が二つ波にさらされていた
それは私たちさよならの言葉が言えない私たち
砂浜に座る二人
明け方までここに居るのかな
手を握るその時に岬の花火が砕けた
遠い空に...
京都の夜
鴨川の土手の上
川面を見つめ
打ち上げ花火
ヒュルヒュルと天に舞い
落ちてくるは落下傘
ついでに見える空飛ぶ円盤
四条通を歩く
人、人、人
絣の着物が美しい
提灯が明るく鉾を照らしだす
新町通りに入る
夜店、芋を洗うような人
売り声に掛け声
それ以外は聞こえない
ここにも鉾はそそり立...
紺碧の空間の中を踊るリズムに合わせて
その黒い影の様な人ははっきりとした輪郭から汗を振り飛ばす
目も鼻も口もない全てが黒いスッテプを踏む人
左足を前に出し左手を頭上に振りかざす
赤く透けて見える心臓から血液が激しく循環している
黄色い星が汗と一緒にほとばしるそれらは紺碧の背景に花火のように飛び散って...
雨の中を歩くすれ違う人そして人
街の中を無言で歩く私の顔はすまし顔
それとも笑みを浮かべているどちらでもいい
言えるのは独りぼっちということかな
ショーウィンドウのマネキンさん一緒に歩きませんか
傘はないけど頭を冷やすのにはちょうどいい雨
角のパブエリートにジンをキープしてあるジンフィズはお嫌いです...
青い空をナイフで切ってみた
そこから滴り落ちてくるのは
青く染まった液体なのかそれとも涙のような澄んだ液体なのか
そうではなかった青い空間がどこまでも広がっているばかり
そんなはずはない
わたしの心の中には過去がうごめいて詰まっているのに
耳をすませばどこからともなく叫びが聞こえるのに
それは昨日の...