Nicotto Town ニコッとタウン

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眠りの森 〜言葉の雫〜

ようこそ。ここは、胸の奥に深く沈んだ悲しみや、消えない寂しさを、一滴の水滴のようにそっと救い上げる場所です。木々が深い影を落とす静寂の森。そこは、誰にも見せられない孤独な涙や、言葉にならなかった切ない想いが静かに息づく世界です。独りきりで佇む夜、心に溢れる冷たい雫を、壊れやすいガラス細工のように大切に綴ります。果てしない寂しさに寄り添い、あなたの孤独の影をそっと包み込めますように。静かな痛みを分かち合う、終わらない夜の記録です。

形なき薔薇(ばら)のゆくえ

お母さん あなたのやさしい手はもうなくて
五月の庭には ただあなたの好きだった風がふく
あなたが遺(のこ)していった このぼくのからだには
いまも静かに あなたのかなしみが流れているそれは見えない糸のように ぼくの骨にからみつき
ふとした夕暮れに ちいさな痛みを連れてくる
ぼくらは同じひかりに いま...

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青い血のソナタ

見知らぬ夏のひかりが ぼくの記憶をたたく
あの日 ぼくがまだ生まれるよりもはるかむかし
ひとつの都市が灼かれ 人々の影が石に融けたとき
ぼくの血のなかに しずかに流れこんだものがあるそれは微かな微かな 追憶の澱(おり)のようでいて
五月のわかばの梢(こずえ)を ふるわせる風のよう
お母さん あなたの...

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鎮魂歌(レクイエム)

激しい雨が ステンドグラスを叩き割らんばかりに
春の嵐は 昏(くら)い聖堂のなかにまで吹き荒れる
僕は ただひとりの寂しい個影(かげ)となり
白い花びらに埋もれた きみの棺のまえに立ちつくす冷たくなつたきみの胸元には 一通の未開封の手紙
僕が放つた想いは もう二度と読まれることはない
やがて厳かに ...

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嵐のなかの聖歌

激しい雨が 古い教会(チャペル)の窓を叩いてゐる
暗い梢は 狂つたやうに身をよじり
咲いたばかりの白い花びらを むしり取り
泥にまみれた石畳のうえに 散らしつづけてゐる僕は ただひとりの寂しい個影(かげ)となり
冷たい堂のすみで 祈るやうに立ちつくす
どこからか あえかなオルガンの音がきこえる
それ...

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春の嵐

あらい風が 青い梢を揺すぶつてゐる
ひそやかに咲いたばかりの 花びらが
僕の帽子のうえに また肩のうえに
ちぎれた手紙のやうに 散り急いでゐる僕は ただひとりの寂しい個影(かげ)となり
あかるい乱気流のなかに 立ちつくす
きみと歩いた あのなつかしい並木道は
いまはもう 遠い追憶の底に沈んでひとはみ...

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