白い砂は ひそやかにかわき
波のきれはしが たえず洗う白浜のくぼみに
ハマヒルガオは うす紅のささやきをひらいていた
風はかすかに 岬の方から吹いてきて
おまえの髪のにおいを どこかへ運んでゆく追憶のなかの あの一本の樹のように
砂丘のうえに ぽつんと残された個影よ
わたしは耳をすます あの日の歌の...
ようこそ。ここは、胸の奥に深く沈んだ悲しみや、消えない寂しさを、一滴の水滴のようにそっと救い上げる場所です。木々が深い影を落とす静寂の森。そこは、誰にも見せられない孤独な涙や、言葉にならなかった切ない想いが静かに息づく世界です。独りきりで佇む夜、心に溢れる冷たい雫を、壊れやすいガラス細工のように大切に綴ります。果てしない寂しさに寄り添い、あなたの孤独の影をそっと包み込めますように。静かな痛みを分かち合う、終わらない夜の記録です。
白い砂は ひそやかにかわき
波のきれはしが たえず洗う白浜のくぼみに
ハマヒルガオは うす紅のささやきをひらいていた
風はかすかに 岬の方から吹いてきて
おまえの髪のにおいを どこかへ運んでゆく追憶のなかの あの一本の樹のように
砂丘のうえに ぽつんと残された個影よ
わたしは耳をすます あの日の歌の...
うす青き 夕雲はるかにながれて
小鳥らは うす桃色のねむりにつけり
窓のそと そよぐ風のうたふをきけば
遠き國の かなしき戦(たたかひ)をおもふなり水面(みなも)には 淡きひかりのともしび揺れて
あまたの灯籠は 夜の河をくだりゆく
消え去りし やさしき魂(たましひ)をはこぶごと
くらい水のなかに た...
小鳥らは いつしか樹々に眠りねど
雲はただ 遠き戦(たたかひ)の空へ急ぐ
かの國の あまたの傷をやはらげんと
月ひかり あはく硝煙の街を照らせり窓をひらけば 夜風のなかに
ともしびの 水の面(も)をすべるが見ゆ
消えゆきし ひとつの命をあはれむごと
灯籠は くらく寂しき川を流れぬお祭の ひびきは遠く...
あかりが水に ひるがへり
かすかな夜の 風にふるへてゐる
それらはみな あまたの記憶のやうに
くらい流れを どこへともなく下つてゆく遠い國の なほ遠いあかりの消えるおとを
私たちは きかないふりをしてゐるのだらうか
あちらでは ひとつのいのちが砂にまみれ
こちらでは ほのかなともしびが波に揺れるあた...
風はどこからともなく吹きすぎてゆく
麦の穂をゆらし 傾いた教会の屋根をなで
青い空の下の小さな部屋へ
私よ おまへはもう泣かない
そこには燃えるような太陽のひまわりが
ただ静かに だれも見ていないのに咲いてゐるからさびしい心は耳をすます
オーヴェルの丘に立つと
麦畑は波打ち 雲は流れる
色あせない画...