みしのたくかにと 6 最終回
- カテゴリ: 小説/詩
- 2010/04/23 15:15:39
すると、ふとっちょおばさんは、奇妙なきまりを口にするのでした……。
「いなれしもかおがさあ、これを食べるのは、そと、それも小川のそばの、草の上でなければならないのです。ほかの場所で食べると、のどにつまってしんでしまいます」
「いなれしもかかかいす、これを食べるときは、...
すると、ふとっちょおばさんは、奇妙なきまりを口にするのでした……。
「いなれしもかおがさあ、これを食べるのは、そと、それも小川のそばの、草の上でなければならないのです。ほかの場所で食べると、のどにつまってしんでしまいます」
「いなれしもかかかいす、これを食べるときは、...
「だいじょうぶ。わたしにいい考えがあります」と、ふとっちょおばさんがいいました。
そして、おばさんは、おいしそうなかぼちゃを三つとり、お城へでかけました。
王子さまは、ボタンのついたきゅうくつそうな服装で、顔は白く、目はなにもかもいやになった……とでもいっているようで...
王子さまは「みしのたくかにと」しか食べないと、言い出しました。
大臣も、えらい先生も、うばも、お医者さまも、そして、りょうりばんさえも、そんなものは、見たこともきいたこともありません。
大人たちがこまりはてていると、ひとりの小さい男の子が、「ぼく、それのあるとこ知ってるよ」と、いいだしました。
...
このお話は、引用です。1972年に刊行された松岡享子さん作『みしのたくかにとをたべた王子さま』という本の中のお話で、1998年に『みしのたくかにと』として再版されました。大社玲子さんの素朴な挿絵の本です。
今から10年くらい前に、新聞に童話の特集があって、この本が紹介されていました。
王子さまと子...
へんなの、と、おうじさまは思いました。それはそうです。はんたいによんでいたのですから。
「いなれしもかおがさあ、いなれしもかかいす、みしのたくかにと」
それからなん日かたったある日のこと、その日は、朝から八人もの先生が、いれかわりたちかわりやってきました。そろそろ、王さまとお妃さまのおかえりに...