むかし愛があった やさしい想いがあった このうえなく上品な言葉があった それらがいつの間にか樹になり 小枝や葉になった
枝を折って中を見ても何も見えない 耳を当てても人の耳には聞こえない 樹はあらゆる方向へ行くかのように伸び それでいて一歩たりとも動かない 動けないのでは...
昔、昔ギリシャにゼウスという神がいました。
その末っ子の名前はヘルメス!
その800代目の子孫が僕ちゃん!
決して嘘八百ではありません。
自由気ままな僕は泥棒や山賊の守り神
むかし愛があった やさしい想いがあった このうえなく上品な言葉があった それらがいつの間にか樹になり 小枝や葉になった
枝を折って中を見ても何も見えない 耳を当てても人の耳には聞こえない 樹はあらゆる方向へ行くかのように伸び それでいて一歩たりとも動かない 動けないのでは...
一本の道が向こうからやってくる 私を通り抜けて 彼方へ去るのだろう そしてまた別の道が 私を貫き続ける それらがどんなに遠く離れ うつろにつながれ滅びてかけても 道は十字路の中で静かに重なりあっている どこまでが十字路であり どこからが道であるのか 私の卑小な生と 薄暗...
軽い頭痛を感じて目をこらすと ぼんやりとした視界の中で ifが寂しい二人連れに見えてくる
頭を垂れて先を歩いていく男と 後から付いていく僅かに背の低い女 女は男の弓形に曲がった背中を見つめてひっそり歩き続ける
針金のように痩せた二人は 長い影を引いてだんだん遠ざかる 時々か...
僕はいつも 何かに見とれながら 生きてきた 僕の心の広場には たくさんの少年たちが走りまわり 少女たちも歌を口ずさみながら にぎやかに集まってきた 夢や希望も時にはやってきたけど 見とれているばかりだった だから そうやって僕が見とれていたすべてのものが 君になって現れた...
何かを深く諦めた そんな夢から目覚める朝がある 思い出せない気配のようなものが おぼろげに香って私の心をよぎっていく 眠りの部屋を出る瞬間 夢の衣装は朝の光に溶けて消えるのに 思い出のような影が去り際 ふと立ち止まってこっちを見ていた
手が届きそうで触れられない何か 最も近...