三日月が低く赤く空に浮いている
それは何かを待ち続けているかのように
暗い水辺から投げつけた想いが
波紋となり映る月を揺らした
三日月が空に浮いている
赤く鋭く暗闇を裂いている
今
心が空っぽになった
するりと飛び出した心が
波紋の輪に揺れている
もがきながら
月といっしょに揺れている
...
三日月が低く赤く空に浮いている
それは何かを待ち続けているかのように
暗い水辺から投げつけた想いが
波紋となり映る月を揺らした
三日月が空に浮いている
赤く鋭く暗闇を裂いている
今
心が空っぽになった
するりと飛び出した心が
波紋の輪に揺れている
もがきながら
月といっしょに揺れている
...
それが明るい日差しだったのか
暖かな南からの風だったのか記憶には無い
それは
私を呼び覚ます声であったのは確かだ
春を枝にぶら下げ
肩にしょった季節売りが
声を出して街の中を売り歩く
春はいかがですか
肩に軽く食い込んだ木の枝には
実をついばむ鳥たちが群がっていた
後ろからは冬をほうきで掃...
アイスが食べたいね
うん、そう言えばアイスが食べたいね
僕はバニラ
私はベリーベリーストロベリー
いいねそれ
まねしないで!
いいじゃん
ダメ!
なんで?
これ私のだから!
ほんじゃ
ダブルでジャモカコーヒー乗っけよう
コヒー下の方がいいよ
なんで?
そっちの方が好き
白が...
また空からの便りが来た
舞い降りてくる雪だ
手のひらで受け止めると
瞬間に融けていく
そっと聞こえる
こんにちは
そっと聞こえる
ありがとう
白い雪が
舞い降りる
いくつもいくつも
舞い降りる
今朝はヒラヒラぼたん雪
私に何かを伝えたいのかな?
白い雪のお手紙は
読む前に融けち...
ああなつかしい
潮の香りがする
砂はここで生まれ
貝はここで生まれた
生きている
砂は生きている
貝は生きている
青い空のもと
澄んだ海水のもと
白い砂は
純白の貝に恋をした
数十年が経った
純白な貝殻は波に砕け砂と同化した
いつものように強い日差しが降り注ぐ
透明な海の底で
今...