Nicotto Town



1Kの部屋

もう嘘をつくのはやめて

7.4畳のフローリングに落ちていく
言葉たちに

激しく蒸気を吹き上げるケトルが
少しばかりの気遣いを見せる

窓は閉めてあるから
ここから言葉は逃げてたりはしないのに・・・

夏の強い日差しが
レースのカーテンに打ち寄せている

もう嘘をつくのはやめて

あなたを力強く抱...

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夏の終わり

車窓から見えるいつもの公園に
白い軽トラックが止まっていた

そこには束ねられたヒマワリが
いく束も無造作にフェンスの脇に置かれている

記録的な暑さの中でも
公園を囲むように花を凛と咲かせていたヒマワリ

ブランコとベンチが別れを惜しんでいる
雑草が悲しげに唄を歌っている

木が一つもない
木陰が...

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夏の香り

夏の香りがする君が好きだ
白く燃える景色を見ているその瞳が好きだ

夏の野に立つ君が好きだ
緑草を手に摘むそのしぐさが好きだ

むせ返るような熱気の中
光り輝く君が好きだ

海から吹いてくる潮風を
笑って感じている君が好きだ

お願いだから
これ以上近づかないでくれ

強く抱きしめると
残像が壊れて...

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月桂樹

「さぁ、こっちへいらっしゃい」
月桂樹が声をかけました

揚羽蝶はほっとため息をつくと
枝の奥に羽を休めました

空はますます暗くなり
雷鳴が響きわたっています

瞬間
雨が強く降り始めました

助かりました
ありがとう

月桂樹さんはとても大きな体で
雨も風も防いでくれますね

困った時は
いつで...

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森の中で

暑さを割るように鳴く蝉が
あなたという仮面を打ち砕いた

天を刺すように伸びきった
いくつもの幹や枝

その支えきれない緑が
わたしに落ちてくる

青い空に何故木の緑は
融け込んで行かないのだろう

混ざりきらない
わたしとあなたの心のように

今あなたという白い仮面が
足元の黒い土に落ちて二つに割...

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