短編なら「1杯のかけそば」が代表作ではないかと思います。
・・・個人的に好きか嫌いかは別ですけど。(苦笑)
思ったこと、感じたことの日記
短編なら「1杯のかけそば」が代表作ではないかと思います。
・・・個人的に好きか嫌いかは別ですけど。(苦笑)
【スイカの記憶】
山中の小滝に集う蛍の群れを見に行った翌日のこと。
仕事に向かう父を見送った僕と弟は、『やってくるっとありがたかぁ』と言う祖父母の言葉にほだされ、畑の雑草取りを手伝うことになった。
何も知らない僕たちは、祖母が用意してくれた軍手・帽子・長袖の作業服を身に着け、鎌と熊手を手に、午後の...
「もしもし、おっ、タケシね!元気しよんね!…うんうん、よかよか!ハッハッハ!」
祖父の電話はいつも変わらない。逆に僕の方が、この言葉を聞くたびに祖父が元気でいるのを確認する。
「また野菜ば送ったけんね!…あさって辺り着くけん!」
祖父は春秋期に獲れた野菜を必ずウチに送って...
ショコル・マヤ・デ・アシュライ15世とアトル・マヤ・デ・シャレーテ姫が結婚して10年目のこの年、アステカ王国は滅んだ。
ショコル家は農耕を、アトル家は灌漑を司りながら発展してきた名家であった。
名家は一つになることでマヤ族の再興を目論んできた一族の夢を叶える機会に巡り合ったのだ。
・・・・・・と...
黒猫イソは、にゃぁ~と鳴きながら早(さき)の懐にもぐりこむと埋もれるように丸くなった。
イソは飼われ始めた時、どこにいても”いそいそ”していたことから名付けられたのだが、飼われて10年になろうとするこの頃にはすっかり動きも遅くなり、イソというよりトロと言った方がピッタリだった...