Nicotto Town ニコッとタウン

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さよならの対価

冷たい雨のなか、お待たせして申し訳ありません。
ここであなたと向き合うのも、これが最後になりますね。傘は差さないでください。
あなたの美しい横顔が、雨粒で滲んでしまうのは忍びないですが、
今の私には、その涙を拭う資格さえ残されていないのです。思えば、随分と遠いところまでご一緒してしまいました。
あな...

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モッコウバラに寄せて

風が どこからか運んできた
優しい ひそやかな 光のつぶ
それは 生垣をあふれるように
うす黄色の 小さな波となってあなたは 誰を待っているのか
棘のない しなやかな枝をのばし
午後の しずかな日だまりのなかで
あんなに 無邪気に わらっているあぁ 僕の心の 古い窓辺にも
こんな風に 花が咲いた日が...

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窓に寄せて

風が あんなに優しく
僕の部屋の窓を 叩いています
淡い光を透かした うすい絹のように
それは 春という名前の 見知らぬ訪問者です僕は 机の上の書きかけの詩を
風の吹くままに 委ねてみようと思います
風は 遠い山々の 冷たい雪の記憶と
まだ見ぬ野原の 若草の歌を 運んできてくれるああ 昨日までの僕の...

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恥多き風

あ、風。春の風でございます。
なんて意地悪で、お節介な風なのでしょう。
窓を開けた途端、私の部屋に溜まった、あの古臭い憂鬱を、ひょいと攫っていこうとするのです。「もう春ですよ。外へ出なさい」
そう囁く風の指先は、不躾なほどに温かく、私の怠惰な頬を撫でまわします。
庭の桜の蕾を、あんなにせっかちに揺り...

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心の旅路2

恥の多い旅路を歩いてきました。
私には、人の言う「まっすぐな道」というものが、どうしても見当がつかないのです。    *朝、目覚めるたびに、私は自分の卑屈な横顔を鏡に探す。
「お早う」と、世間に向かっておべっかを使う。
その口先の下で、真っ赤な舌を出している自分に、
私は、たまらなく吐き気がするので...

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