Nicotto Town ニコッとタウン

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心の旅路

また、逃げた。
夜明けの、鉛色の空を背負って、
ぼくは無目的の切符をポケットに突っ込む。「どこへ行くのか」なんて、聞かないでほしい。
誰もいない場所、なんて、
この世のどこを探したってないのだから。
ただ、いまいる場所が、ひどく息苦しいだけ。停車場のベンチで、
安っぽい煙草の煙を吐き出しながら、
ぼ...

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月光の葬列

あえかな 月の ひかりが
森の なきがらに 降りそそぎ
きみの 面影の ひとみも
いまは 露の きらめきに銀の 糸を ひくような
夜の 静かな 弔いの調べ
星の しじまは いよいよ 深く
すべてを 蒼い 底へと 沈めて

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硝子の牙

鳴らすなよ、その青い喉を。
お前の吐き出す不満は、精製不良のガソリンみたいに鼻につく。「やりたいことがない」「誰も認めてくれない」
「この時代の空気が、俺を窒息させる」
……御託はいい。その湿った言葉を、今すぐ飲み込め。いいか。
世界はお前の母親じゃない。
泣けばミルクが...

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硝子の弾丸

鳴らすなよ、その口を。
安っぽい感傷で、この夜を汚すんじゃない。お前の吐き出す言葉は
湿気ったマッチ棒のように、火もつかずに折れる。
世界が不公平だと?
神様が寝過ごしたとでも言いたいのか。いいか、鏡を見てみろ。
そこに映っているのは、悲劇のヒーローじゃない。
ただの、逃げ場所を探している迷子だ。運...

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錆びたルージュ

やめなよ。
その綺麗な唇から、腐った果実のような言葉をこぼすのは。運命に裏切られた?
男が、時代が、世界が、お前を理解しないって?
聞き飽きたよ。その安っぽいシャンソンの歌詞は。いいかい。
お前が今、喉の奥から絞り出しているのは「言葉」じゃない。
自分で自分にかけた、逃げ道の呪文だ。鏡をよく見てみな...

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