夏の、冷蔵庫から取り出したキンキンのラムネ。
手のひらの温度差でドライアイスみたいに冷たい瓶と、瓶を傾けるたびにしゅわしゅわ、ゆらゆらと漂うソーダ。
べこんとへこんだ瓶の中央、溝の上を転がる透明な硝子のビー玉。
夏空にかざしてみると綺麗に透き通った淡い水の色。
■
大合唱の蝉の声。ミーン...
私は誰かを羨んでばかりいる、それしか出来ない
夏の、冷蔵庫から取り出したキンキンのラムネ。
手のひらの温度差でドライアイスみたいに冷たい瓶と、瓶を傾けるたびにしゅわしゅわ、ゆらゆらと漂うソーダ。
べこんとへこんだ瓶の中央、溝の上を転がる透明な硝子のビー玉。
夏空にかざしてみると綺麗に透き通った淡い水の色。
■
大合唱の蝉の声。ミーン...
(このまま崩れてしまいそうだ)
彼女はとても脆かった。まるで精巧に作られた人形みたいなその綺麗な顔立ちと力なく垂れ手足からは少しだけマリオネットを想像した。
胸からしたしたと流れる液体は止む気配もなく今も流れ続けている。白いセーラー服はみるみるうちに赤く染まっていって、日常とかけ離れた異物を目撃した...
今日の夕陽は、とても鮮やかな朱色だった。何故夕陽は赤いのかなんて頭に浮かんだりもしたが、結局は綺麗だなぁという小学生のような感想が出たところで思考は回転を止めた。
隣の彼はやたらゴツゴツとした大きいカメラを目に当てて、赤く染まった空、地面、ビル、花....。目に付く物をフィルムに焼き付けていく君は、...
私の家の近くには小さな神社が1つだけ建っている。春になると桜がとてもきれいなところだ。夏には濃い緑の葉がたくさん生い茂るし、秋になると空も地面も茶色く染まる。
その神社で幼いからよく夢を見た。
軽い夢遊状態のようにただ意思も持たずにふらふらとしていると、そこには6才くらいの小さな少女がいた。
「...
クリスマス・イヴの夕方。
用もなしに寒空の下でコーヒーの缶を握っている。
校門に寄りかかって遅いな、と腕時計に目をやると時刻は午後18:10を回っていた。
ほとんど機能しなくなった手をこすり合わせて校舎に目をやる。
君だ。
首元の赤いマフラーがよく似合っていた。僕は君に声をかける。
「お、お...