Nicotto Town


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日日是悪日

「宇宙人と扇風機」

これは、あたしが宇宙人と遭遇した時のお話。

よく小さな子供ってさ、夏に暑さ対策として扇風機が姿を現わすようになると、
それに向かって「ああああ」なんて、適当に声を出して「宇宙人みたーい」って笑い合うよね。
八年前の夏のその日も、私は弟の竜弥(りゅうや)とそうやって、ふざけてたの。注意する母が外出中...

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「チョコレィト」

「苦っ! 」

湯選で溶かした、銀のボウルに入ったチョコレィトを、千里(ちさと)はつまみ食いしてから顔をしかめた。

「しょうがないでしょ。優太、甘いの苦手なんだから」

これからチョコレィトを流し込む為使う型を流水で洗いながら、私は答える。
今の時期、冷えた水で洗うのはキツイからという理由で流れる...

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「充電中」

「ねー、お昼まだー? 」

テーブルに着き、キッチンに目をやり彼女は言う。
語尾をのばす言い方は彼女、綾夏さんの癖。
綾夏さんは僕の恋人で、一年前に付き合い始めた年上の綺麗な女性だ。
朗らかな性格で、根が暗い僕には本当に勿体ないな、と何度も感じる。
仕事で忙しく、なかなか会一緒に過ごす時...

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「僕」

夢は僕で、僕は夢だった。
僕たち2人(?)は一心同体で、信じ続ければいつか夢はかなうと分かち合い、世界中の誰よりも打ち解けていた。

幼い頃の僕の、いつも心の中にあった幾つもの夢。
パイロット、消防士、駅長、サッカー選手、医者、カメラマン……。
それはクルクルと歳を重ねては変わっていったけ...

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「翼」

翼が、欲しい。
逢いたい人が、いるから。

今、私の背中に翼が生えたら。
そうしたら、その翼をゆっくりと動かし、私は空へ行く。
逢いたい人が、いるから。

夕也の死は、あまりにも突然だった。
交通事故で、あっさり。
日曜日、横断歩道を渡っていたら居眠り運転の車が突っ込んできて。即死...

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