Nicotto Town



自作小説倶楽部3月投稿

『嫌いな女』僕は彼女のことが大っ嫌いでした。両親を失った可哀想な甥を助けたい。と人に話したことがあったそうですが僕にとっては点数稼ぎとしか思えませんでした。当時彼女は2番目の夫と離婚して女優の仕事に四苦八苦していた頃だったからです。何よりも父の妹だというのに両親が事故で死ぬまで一度も会ったことはあり...

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自作小説倶楽部1月投稿

『失くした傘』傘を捜して欲しいんです。 ブランド物ではなく古い、昔の職人が作った重い傘ですよ。布地は黒、裾に紺色の糸でJ.Mとイニシャルが入っています。ええ、同じような傘がどこにでもありますね。母によれば雨の日に父が母にその傘を貸したのが二人のなれそめの始まりで、傘には恋の魔法が掛かっているという...

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自作小説倶楽部11月投稿(2)

『春を待つ殺人』(後編)
顔に降りかかった温かい液体のぬめる感触に俺は目を開けた。俺が握ったものの先に男の顔が半分見えていた。握った柄の感触から、握っているものが斧の柄だと気付く。たった今、薪割りのために立て掛けてあったものだ。突きだされたものを凶器だと認識していなかったのか男は斧に突進していた。男...

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自作小説倶楽部11月投稿

『春を待つ殺人』(前編)
「おひさしぶり」色あせた防寒着に身を包み、軍手を着けて山小屋を出たところで意外な人物が俺を待ち構えていた。冬山の登山には中途半端な時期に人に会うこと自体まれなのだが、その中でも最悪の相手だ。細い脚を包むブランドもののブーツはとても山に適した履物とは言えないが、彼女の影のよう...

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自作小説倶楽部9月投稿

『守護天使』
結核で亡くなったお姉様は守護天使となっていつも私の傍にいてくださいました。年老いた伯父に女中代わりに引き取られ、折檻のために暗くて冷たい部屋に閉じ込められた時も、お姉様に教えられた歌を歌い、じっと暗闇の恐怖に耐えました。夫に出会わせてくれたのもお姉様に違いありません。彼は父の借金が無効...

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